「国境を越えればチーズが変わる」といわれるように、ナチュラルチーズは種類が多く、日本国内でも80か所以上で国産ナチュラルチーズが作られています。
分類方法はいろいろありますが、フランスの熟成方法により軟質では非熟成の「フレッシュ」、熟成の「白カビ」「ウオッシュ」「シェーブル」、半硬質では「青カビ」「セミハード」、硬質・超硬質の「ハード」の7種類に分類されています。
カビには有害なものだけでなく、役に立つものもあります。
カマンベール、ブルーチーズはカビを利用した食品の代表です。これらのチーズに利用されるカビは、食べても害がないばかりでなく、チーズの中のたんぱく質や脂肪をよく分解し、独特の風味や組成を作り出すのになくてはならないものです。
軟質チーズ
フレッシュチーズ(非熟成)
乳に酸や酵素を加えて凝固させ、水分を抜いたもので熟成していないものを一般にフレッシュチーズと呼びます。水分が多くやわらかく、味や匂いにクセがないので、そのまま食べることが多いのが特徴です。
代表例:カッテージ、モッツアレラ、クワルク、クリーム
白カビタイプ(カビ熟成)
チーズ表面に白カビを植えつけて熟成させます。カマンベール、ブリー、馬蹄型のバラカなどのチーズがその代表です。いずれもたんぱく質を分解する力の強いカビが、表面から中心に向かって熟成させていき、表面は、白いカビで覆われ、内部は黄色がかったクリーム状の組織になります。
代表例:カマンベール、ブリー、バラカ、ブリヤ・サヴァラン
ウォッシュタイプ(表面洗浄/細菌熟成)
表皮を塩水や土地の酒(ワインやビール)などで洗いながら熟成します。チーズの表皮についている特殊な菌で熟成させます。匂いが強烈なものが多いです。
代表例:ボン・レヴェック、マンスティール、リヴァロ
シェーブル(山羊乳)(カビ熟成/細菌熟成)
山羊乳で作るチーズを総称してシェーブルと呼び、特有の風味があります。フレッシュからハードタイプまで揃っている。熟成が進むと香りも味も濃くなります。
代表例:ピラミッド、バノン、ヴァランセ、サント・モール
半硬質チーズ
青カビタイプ(カビ熟成)
青カビをカードに混ぜ中から熟成させるもの。青カビは内部に青緑色の大理石状の縞模様をつくり、ピリッとした鋭い刺激性のある風味が特徴です。他のチーズと違い、中心から外側へ熟成が進みます。よく熟成したものは強烈な風味があり味も濃厚です。
代表例:三大ブルーチーズ ロックフォール(フランス)、ゴルゴンゾーラ(イタリア)、スティルトン(イギリス)
セミハードタイプ(細菌熟成)
比較的硬く、チーズの中でも保存のきくタイプ。熟成期間や大きさ、脂肪の量などもさまざまで最も種類が多い。味はマイルドです。
代表例:ゴーダ、マリボー、サムソー・コンテ、ラクレット、カンタル
硬質チーズ
ハードタイプ(細菌熟成)
かなり強く圧搾して水分を抜き、熟成期間が長いので硬く、長期保存ができるチーズです。熟成が穏やかに進むチーズなので食べ頃が長く続き、色々な料理で楽しめます。
代表例:エメンタール、グリュイエール、エダム、チェダー
超硬質チーズ
ハードタイプ(細菌熟成)
1年から2年以上、じっくり熟成させて作る最も硬いチーズ。長く熟成させたものほど風味が豊かになる。おろして粉末にしたり、色々な料理でも楽しめます。
代表例:パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマノ