殺菌方法は温度と時間によって大きく以下のように区分されます。
低温殺菌(LTLT=Low Temperature Long Time)
・低温保持殺菌:保持式で63~65℃で30分間加熱殺菌する方法
・連続式低温殺菌:連続的に65~68℃で30分間加熱殺菌する方法
高温殺菌
・高温保持殺菌(HTLT=High Temperature Long Time):保持式で75℃以上で15分以上加熱殺菌する方法
・高温短時間殺菌(HTST=High Temperature Short Time):連続的に72℃以上で15秒以上加熱殺菌する方法
超高温殺菌(UHT=Ultra High Temperature)
・超高温瞬間殺菌:120~150℃で1~3秒間加熱殺菌する方法
「保持式」と「連続式」とは
保持式とは生乳をタンク内でかくはんしながら一定の温度を保持して殺菌する方式で、連続式とは生乳が加熱されたプレート間を通過することで一定の温度を保持して殺菌する方式です。
現在販売されている牛乳の9割が超高温瞬間殺菌(UHT)による殺菌です。食中毒の原因となる菌だけなく、耐熱性胞子形成菌を死滅させられるのはこの方法のみで、短時間で大量の生乳を殺菌可能です。また、これらの加熱殺菌設備は、生乳と加熱熱源を接触させることなく加熱する間接加熱方式ですが、加熱蒸気を生乳に接触させる直接加熱方式、生乳に直接電気を流し、牛乳自体を発熱させて殺菌する方式が知られています。
牛乳の容器へは殺菌温度と殺菌時間を表示するよう義務付けられています。