●母乳、乳児用調製乳、牛乳の比較
乳児用調製乳の原料である牛乳と、母乳の成分を比較すると、炭水化物、ビタミンA、ナイアシン、ビタミンCは母乳に多く含まれます。
●乳児用調製乳の成分の特徴
たんぱく質
牛乳ではカゼインが約80%、乳清たんぱく質が約20%ですが、育児用調製乳はカゼイン約40%、乳清たんぱく質約60%と母乳に近づけています。
炭水化物
母乳、牛乳とも乳糖が大部分を占めます。育児用調製乳には乳糖を添加して母乳に近づけています。また、母乳にはわずかですがオリゴ糖も含まれるので、オリゴ糖も加えています。
脂質
母乳、牛乳とも量はほぼ同じですが、脂肪酸の組成が異なります。育児用調製乳は牛乳の脂肪を一部植物性脂肪に置換し、リノール酸など必須脂肪酸のバランスを母乳に近づけています。
ミネラル
牛乳には母乳の3倍以上のミネラルがあり、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウムが多く含まれています。ミネラル分が多いと、腎機能の未熟な乳児には負担が大きいので、育児用調製乳はこれらを低減し、カルシウムとリンの割合も母乳とほぼ同じ比率にしています。
ビタミン
ビタミン類を強化しています。母乳栄養児に多いビタミンK欠乏性出血症を防ぐために、ビタミンKを強化しています。