日本での牛乳乳製品に関する主な歴史は、下記のようになります。
飛鳥・奈良時代
645年
乙巳(いっし)の変のころ、百済(くだら)から移住した智聡(ちそう)の子孫、善那(ぜんな)が孝徳天皇に牛乳を献上。
701年
大宝律令により皇族用の指定酪農家、乳戸(にゅうこ)が都の近くに集められ、宮中に牛乳約2.3Lを供御し、余りは煮詰めて保存性のよい「酥」を作っていました。
718年
元正(げんしょう)天皇が七道諸国に酥の貢納(税として納めること)を命じました。
平安時代
924年
貢酥の制度がますます盛んになり、「延喜式」に各地区の貢酥の量と納める年の順番が定められました。
984年
日本で一番古い医術書「医心方(いしんほう)」には、“乳は全身の衰弱を補い、通じをよくし、皮膚をなめらかに美しくする”と古代乳製品の効用や、”牛乳を服するときは必ず一、二回煮沸し、冷えてから飲むべし”など衛生的知識が記されています。
江戸時代
1727年
8代将軍吉宗は、オランダ人商館の馬術師兼獣医に馬の医療用として牛乳やバターの必要性を教えられ、インドから白牛3頭を輸入して千葉県南房総市で飼育を始めました。これが近代酪農の始まりといわれています。
開国して外国人が住むようになると、牛乳の必要性が一層高くなりました。
1866年
前田留吉は、オランダ人から牛の飼育や搾乳を習い、横浜に牧場をひらき、牛乳の販売を始めました。
明治から昭和
1871年(明治4)
“天皇が毎日2回ずつ牛乳を飲む”という記事が「新聞雑誌」に載ると、国民の間にも牛乳飲用が広まるようになりました。
1922年(大正11)
小学校医 岡田道一が「学校家庭児童の衛生」で牛乳はビタミンが豊富で腎臓病や脚気に効果があるので、子どものうちに牛乳好きにすべきであると主張。
1928年(昭和3)
「牛乳営業取締規則施行細則」が施行され、牛乳の殺菌が義務化されました。
1951年(昭和26)
厚生省(現:厚生労働省)が「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」を公布。
2024年(令和6)
乳及び乳製品の成分規格に関する命令(乳等命令)に名称改正され、消費者庁へ移管。