日本乳業協会 西尾会長 挨拶
日本乳業会長を務めております西尾でございます。委員の皆様方には日頃より当協会に多大なるご支援・ご協力をいただいておりますことを心より感謝申し上げたいと思います。本日、この考える会が記念すべき第100回の開催を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
この会の歴史をひもときますと、1967年に私どもの前身の一つである日本乳業協議会が設立され、その翌年、1968年に牛乳乳製品懇話会が発足しました。これがこの「考える会」の前身となります。この時の議長は、日本で初めて商業誌の女性編集長となられた三枝佐枝子様でございました。
そして、2000年に社団法人日本乳業協会となった際に、「牛乳・乳製品から食と健康を考える会」という現在の名称に変わり、昨年までの19年間でこれまで99回開催をしてまいりました。第1回の座長は木元教子先生でした。当時のことなどを後ほど木元先生からお話をいただければ幸いでございます。
さて、酪農乳業界にとって、この19年間を振り返りますと、2000年度に841万tございました生乳生産量が、2018年度には728万tと100万t以上も減少し、酪農家戸数も3万戸ございましたが、現在は約半数ということになっております。
その間、BSEや口蹄疫の発生に加えて、東日本大震災、それから熊本地震、北海道胆振東部地震、そして度重なる台風・大雨などにより、我が国の酪農乳業は非常に大きな影響を受けてまいりましたが、指定団体と乳業の密接な連携によって、業界が一体となってこれまで乗り越えてまいりました。
現在酪肉近代化基本方針の見直し作業が行われておりまして、今年3月には取りまとめが行われる予定です。その中で私どもは、酪農の未来に希望の持てる意欲的な方針を策定する必要がある。そして、失われた20年を取り戻すことをテーマに、酪農乳業が連携し、牛乳・乳製品の安定供給に努めることが最も重要であると、このような意見を述べさせていただきました。既に生産回復の芽は出ておりますので、新たな基本方針の策定と共に、生産が本格的な回復基調に転じていくことを期待している次第でございます。
この「考える会」では、これまで安全や衛生・酪農制度・消費・貿易交渉・環境問題などを取り上げて、講演会による情報の共有化と、委員の皆様にそれぞれのお立場からご検討をいただき、皆様それぞれのフィールドにおいて積極的に情報発信をいただいてまいりました。
おかげさまで牛乳・乳製品の消費は健康志向の高まりなどを背景として、特にチーズ・ヨーグルトを中心に拡大し続けております。牛乳についても、その栄養的価値がメディアで露出されることが増えており、増加基調になってきております。
これからも「牛乳・乳製品から食と健康を考える会」の活動に、旧来にも増した委員の皆様方のご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様がお元気でご活躍されることを心より祈念いたしまして、第100回を迎えるに当たってのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
木元教子委員(第1回座長)挨拶
木元教子でございます。こうやって皆様のお顔を拝見していると、ああ、ここまで来たという思いがいたします。前田恒子さんをご存知の方もおいでかと思いますが、私は牛乳のことで前田さんとお話をすることが多かったのです。その時にこんな会を作りたいというお話もいろいろな方からもあって、最初は「懇話会」という名前だったのですが、やっぱり牛乳・乳製品についてしっかり一から考えてみようよということで「考える会」になりました。皆さんのお話が活発になるように、自由な雰囲気の会にしようと・・・。
そして、メンバーの、皆様方、講師諸先生のお力をいただきながら、ここまで発展して参りました。本当にありがとうございます。そしてこの会が、いろいろなことで牛乳・乳製品のこれからのあり方や、又、それをどうやって実行していったらいいのか、ということまで、しっかり考える力を持っていると、私は強く思います。
これからも、多くの方々のご意見、お考えを、しっかり伺いながら、「このところ、牛乳はどうかな?」などと、ざっくばらんにお話ができる機会を、ずっと続けていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
牛乳・乳製品と言った場合に、「何それ?」って言われることがあるんですね。そこで、ちゃんと牛乳と乳製品についてお話しすると、「そうそう、ヨーグルト、アイスクリームは、乳製品なのよね。勉強になる」、と言って下さる方もいらして、嬉しいですね。牛乳については十分ご存知でいらっしゃるけれど、乳製品と言った場合に、品数も非常に増えておりますのでよくわからないという方々もいらっしゃいます。私たちは、そういったことも友人・知人にお話する機会を持ち続けながら、これからも、乳業が発展し、牛乳・乳製品がますます日本の人々に愛されるように、努力していきたいと思います。何か私がこんなところから申し上げるのも失礼ではありますが、頑張りましょう!!
よろしくお願いいたします。ありがとうございました。