種類別クリーム(以下クリーム)のホイップ状態の変化は次の通りです。
ホイップ前
液状のクリームは脂肪が細かい粒子(脂肪球)として水(脱脂乳)の中に分散している状態です。脂肪球は一粒ずつ脂肪球膜で覆われています。
3分立て
ホイップの初期には、気泡がクリームに取り込まれ、脂肪球が気泡の周りに集まって脂肪球同士が凝集を起こします。この段階では気泡は大きく、不安定で壊れやすいです。
5分立て
大きな気泡が壊れると、その周りに集まっていた脂肪が液中に散らばり、新しく取り込まれた気泡の周りに素早く集まります。この繰り返しにより凝集した脂肪の数が増え、凝集した脂肪に囲まれた気泡が細かくなり、安定化します。
6~8分立て
ホイップを続けると、安定化した気泡が増加し、凝集した脂肪球に囲まれた気泡が網目のような構造を作り、クリーム全体が粘性を持つようになります。ホイップするほど網目構造は緻密になっていき、クリームの粘りが増して硬さが出てきます。
どの程度までホイップするかは用途によりますが、ケーキのデコレーションに使う場合、クリームは8分立てくらいを終点とします。
10分立て(全立て)
ホイップをさらに続けると、網目構造がさらに緻密になりクリームの粘性がより強くなって、硬さも増します。
クリームはここまでホイップするとケーキのデコレーションに使う場合、絞ったクリームがパサついてギザギザになってしまうので注意が必要です。
安定剤や乳化剤の入ったホイップ用のクリーム(名称「乳又は乳製品を主要原料とする食品」)をデコレーションに使う場合は、6~8分立てで止めずに全立てにしましょう。