加糖練乳(コンデンスミルク)の製造方法
1:標準化
製品の規格に合わせ、乳脂肪分と無脂乳固形分の割合を調整します。
2:加糖
細菌の増殖を抑制し、製品の保存性を与えるため、ショ糖を加えます。ショ糖は高度に精製された純度の高いグラニュー糖を用います。
3:加熱殺菌
以下の目的のために、加熱殺菌を行ないます。
・製品に有害な働きをする酵素を破壊する
・添加したショ糖を完全に溶かす
・濃縮時に加熱面へのこげつきを防ぎ蒸発をすみやかにする
・たんぱく質に適当な熱変性を与えて製品の濃厚化をおさえる
4:濃縮
濃縮機(エバポレーター)で水分を蒸発させ、約2~3倍に濃縮します。
5:冷却
濃縮したものを、そのままにしておくと、乳糖は徐々に大きな結晶を作りサンディ(砂状)とよばれるザラつきがでます。これを防ぐために、微粉末化した乳糖結晶を加え撹拌(かくはん)しながら冷却し、過飽和の乳糖を強制的に微細な結晶として析出させ、なめらかな状態にします(シーディング)
6:充填
冷却後約12時間放置して、練乳中に含まれる気泡を完全に発散させたあと、あらかじめ殺菌、乾燥した缶やプラスティック容器に充填します。充填後は加熱滅菌しないので、容器内に空気が残らないようにします。
加糖練乳(コンデンスミルク)の製造工程
無糖練乳(エバミルク)
1:標準化
製品の規格に合わせ、乳脂肪分と無脂乳固形分(牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分)の割合を調整します。
2:加熱殺菌
加熱殺菌を行なうこともあります。
・製造に有害な働きをおよぼす酵素を破壊する
・滅菌時に凝固するのを防ぎ、適度な粘度をつけるため
3:濃縮
濃縮機(エバポレーター)で水分を蒸発させ、約2~3倍に濃縮します。
4:均質化・冷却
脂肪の分離を防ぐために均質化を行ない、ただちに10℃以下に冷却します。再標準化をおこなうこともあります。乳固形分を規格に合わせるため、乳脂肪分を再調整します。
5:パイロット試験
次の工程の充填や、7:の滅菌後に凝固したり、粘度が下がるのを防ぐため、滅菌時と同じ条件で熱安定性を確認し滅菌条件を決めます。
6:充填・封缶
密封後滅菌するため、缶の上部に適当なすきまを残して充填し、封缶します。
7:滅菌・冷却
115~118℃で15~30分間加熱滅菌し、冷却します。