加糖練乳は牛乳にショ糖を加えて濃縮したものです。保存性に優れているのが練乳の特徴ですが、保存中の温度が高かったり、長時間置いておくなど保存条件によっては、次のような品質低下がみられることがあります。
褐色化
正常な加糖練乳は淡黄色を帯びた乳白色をしていますが、高温で長期間保存すると、茶色っぽくなる(褐色化)ことがあります。これは乳糖やショ糖などの糖類と牛乳のたんぱく質がメイラード反応(アミノカルボニル反応)を起こしたためです。
ザラつき(砂状・糖沈)
通常乳糖結晶が10マイクロメートル(1マイクロメートル=1mmの1/1000)以下であれば沈殿が発生しにくく、食感としてのザラツキは感じられません。
保存中の温度条件などにより、徐々に結晶の巨大化が進み、乳糖結晶が15マイクロメートル以上になると、個人差はありますが舌にザラツキを感じることがあります。これを「砂状(sandy)」といい、さらに乳糖結晶が巨大化して沈殿することを「糖沈」と言います。
保存中に起こる品質劣化としては、このほかに「濃厚化・増粘」「凝固」「脂肪分離」「カビ」「ガス発生」などがあります。
味が変わっていたり、ガス発酵で容器が膨れたり、かたまりがある場合は食べないでください。
保存方法
未開封の場合常温で保存できますが、温度の高いところでは保存しないでください。高温や寒暖の差が激しいところでは褐色化が早まり、風味も低下します。
開封後は冷蔵庫で保存し、早めに食べてください。