牛は哺乳類なので、子どもを産まないと乳は出ません。
ホルスタイン種の場合、仔牛は体重40㎏で産まれ、9~13カ月で260㎏くらいまで成長します。15カ月くらいで体重が350㎏ほどになると受胎させ、受胎後約280日後に出産します。
分娩後の乳を「初乳」といい、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどを多く含み、特に免疫グロブリンが多いので、仔牛の健康を保つためと、仔牛の免疫グロブリン吸収能力が出生後の時間経過とともに低下するため、数時間以内に必ず飲ませます。
このように初乳はふつうの乳と成分が非常に異なるので、「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令(乳等命令)」では分娩後5日までの乳を販売してはならないことになっています。
分娩後は母牛から10~12ヶ月間搾乳されますが、1日に約20kgだった乳量は、2~3ヶ月後には約30kgとなり、それをピークに減少しはじめます。
次の搾乳に備えるために、産後1~3ヶ月で次の受胎をさせ、1年に1回出産させます。
出産に備えるために、分娩2ヶ月前くらいには搾乳をやめます。