一般的なバターの製造方法を工程ごとに紹介します。
乳脂肪分にもよりますが、200gのバターをつくるのに約4.2~4.4リットルほどの生乳が必要となります。
1:分離
生乳や牛乳などから遠心分離により、乳脂肪分を分離します。乳脂肪分35~40%に調整した原料がバターの製造に適しています。
2:殺菌・冷却
95℃で60秒間加熱殺菌し、脂肪分解酵素(リパーゼ)も失活させ、保存性を高めます。殺菌後ただちに5℃前後に冷却します。
3:エージング
殺菌・冷却し、5℃前後のタンクで8~12時間、低温保持する操作をエージングといいます。この間にクリームの脂肪分は結晶化し、脂肪球が安定します。
4:チャーニング(撹拌)
バター作りの中心的な工程で、エージングした乳脂肪を10℃以下の温度で激しく撹拌することにより、脂肪球を凝集させて、大豆くらいの大きさのバター粒とそれ以外の成分に分けます。これをチャーニングといいます。バター粒以外の液体はバターミルクとよばれます。
5:水洗
バター粒を冷水で洗い、バターミルクを完全に除きます。バターの風味を良くし、バター粒の硬さを調節するためです。
6:加塩
バターの風味を良くし、保存性を高めるために食塩を加えます。
7:ワーキング(練圧)
バター粒を練り合わせ、粒子中の水分や塩分を均一に分散させ、なめらかな良質のバター組織にします。
※4のチャーニングから、7のワーキングまでの工程を連続式製造機で一貫して行います。
8:充填・包装
できあがったバターを用途に応じた大きさ、形に包装し、貯蔵します。
硫酸紙やアルミパウチ(アルミ箔で裏打ちした紙)などに包み、紙箱に入れたものが主流ですが、びん、缶、プラスチック容器入りもあります。