牛乳が体に悪いという主張に対する回答の一部をご紹介します。
牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症になる?!
牛乳が骨の健康に及ぼす効果を調べた139の論文には「牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症になる」としたものは1つもありません。一方で牛乳を飲む意義を示した報告はたくさんあります。
日本人のほとんどは牛乳を飲むとお腹を壊す?!
乳糖分解酵素を持たない人が多いことは事実ですが、乳糖はビフィズス菌などの腸内細菌によっても分解されます。また、学生を被験者とした乳糖の摂取試験では、乳糖30g(牛乳約600ml分)を摂取したグループで下痢は観察されなかったことが報告されています。
そもそも牛乳は高カルシウム食品ではない?!
食品成分表は100gあたりの栄養素量が示されているので牛乳よりカルシウムが多い食品がたくさんありますが、1食あたりで換算すると牛乳が一番多くなっています。また牛乳のカルシウム吸収率は約40%と、小魚約33%・野菜約19%に比べて高いことが知られています。
カルシウムを多く含む食品のカルシウム含有量(1食あたり) | |
---|---|
普通牛乳(200ml) | 227 mg |
しらす干し(5g) | 26 mg |
さくらえび(5g) | 100 mg |
まいわし(60g) | 44 mg |
干しひじき(8g) | 80 mg |
小松菜(80g) | 136 mg |
日本食品標準成分表2020年版(8訂)より
牛乳の加熱殺菌により、乳脂肪が酸化したり酵素が死ぬ?!
牛乳の加熱殺菌は外気に触れない密閉容器で行われているため、乳脂肪が酸化する可能性はほとんどありません。また牛乳中に含まれる保存中に牛乳を変質させる酵素は加熱殺菌により活性が失われます。ヒトの体に必要な酵素は全てヒトの体内で作られるので牛乳の加熱殺菌と関係はありません。