牛が食べた飼料は、4つある胃のうちまず第1胃(ルーメン)に行きます。
第1胃には多くの微生物がいて、飼料を分解・発酵します。この過程で飼料に含まれる炭水化物から酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸が作られ、ルーメン壁から吸収されて乳腺細胞に運ばれます。
いっぽう、粗飼料(草)や濃厚飼料(穀類)に含まれる微量の脂肪分は、主に消化液で分解され脂肪酸となり、小腸壁から吸収され乳腺細胞に運ばれます。乳腺細胞に運ばれたこれらの脂肪酸は、乳脂肪へと合成されます。これが牛乳中に含まれる脂肪の約90%です。
そのほかに体に蓄積された体脂肪は、血液中に長鎖脂肪酸として遊離し、乳腺細胞に運ばれ乳脂肪になります。