アイスクリームの世界史
紀元前ギリシャ・ローマ時代の健康食品
ギリシャのアレキサンダー大王は、奴隷たちに山から氷雪を運ばせ、果汁に糖蜜を加えた冷たい飲み物を兵士たちに与え、士気を高めたそうです。
11世紀頃:シャーベットはイタリア生まれ
シリア地方へ侵攻した十字軍が、「シャルバート」の製法をヨーロッパに伝え、イタリアのシチリアで果物やナッツを使って「ソルベット」(シャーベットのイタリア語)が作られるようになりました。
17世紀末:パリで、世界初のアイスクリーム誕生
フランソワ・ブロコープがホイップクリームを凍結させた「グラス・ア・シャンティ」を考案。この頃から、フランスでは、アイスクリームがようやく庶民の口に入るようになりました。
19世紀半ば:アメリカで発達したアイスクリーム
1851年、ボルモアの牛乳商ヤコブ・フッセルがアイスクリームの生産販売を思いつき、牛乳工場をアイスクリーム工場にしました。1870年代には、アンモニアガス圧縮式の冷凍方による工場生産が始まりました。
アイスクリームの日本史
4世紀後半:自然の冷蔵庫「氷室(ひむろ)」
仁徳天皇の時代に奈良に自然の冷蔵庫「氷室」が作られ、冷菓の歴史が始まりました。
12世紀初め:貴族のデザート「削り氷(けずりひ)」
平安時代の「枕草子」「源氏物語」に「削り氷」という氷菓が書かれています。
氷を砕き、つたの蜜「甘葛煎(あまずらせん)」をかけたものです。
1875年頃:アイスクリームは文明開化のシンボル
銀座に「風月堂」「資生堂」「函館屋」などが次々にオープン。
明治16年に建てられた鹿鳴館では、アイスクリームが晩餐会のデザートとして欠かせないものとなりました。
1955年頃:夏のおやつの定番に
昭和30年代に入り、現在も販売されているカップアイスやコーンアイスも登場し、より身近なものになりました。また、フリーザー(冷凍)付き家庭用冷蔵庫が普及し始め、販売量も増加しました。