- 講演後の質疑応答 -
- Q1.乳酸菌というのは、漬物でも活躍していると思うですが、ヨーグルトにこの様にたくさんの種類の乳酸菌があることに驚きました。これらの菌を使ったヨーグルトはいつごろから作られたのですか?
- A1.
- 機能性ヨーグルトはこの10年位で認知度が上昇しました。しかし、まだ新しい商品と言えると思います。
日本では、今は糠床を使っている家庭は少なくなっていると思います。糠床には膨大な数の乳酸菌がいますが、すべて洗って食べるため乳酸菌を沢山摂ることにはなりません。ただ日本で現在一番食べられている漬物は、実は40%はキムチです。キムチは乳酸菌も一緒に食べるため、摂取される乳酸菌量は多いと考えられます。韓国ではキムチ菌を国菌と位置付けており、研究は相当進んでいます。
- 機能性ヨーグルトはこの10年位で認知度が上昇しました。しかし、まだ新しい商品と言えると思います。
- Q2.ヨーグルトの食べ方のポイントを教えて下さい。
- A2.
- ヨーグルトは基本的には乳酸菌を摂る食品と考えます。摂り方としては、整腸作用を狙う時には生きている菌が重要と考えます。そのためには食べる時期としては食後がいいと考えます。食前だと胃の中のpHがかなり下がっているので特にビフィズス菌は死に易いと考えますが、あまり気にする必要はないと考えます。乳酸菌を守る運搬体としては、乳タンパク質が非常に優れています。
- Q3.色々なヨーグルトがありそれに伴い、色々な種類の機能を持つ乳酸菌が添加されていますが、複数のヨーグルトを食べて、菌同士の食べ合わせとかバトルは無いのでしょうか。
- A3.
- 複数のものを食べればバトルはあると思います。各メーカーが相当基礎研究をして選抜されている菌のため、腸管付着性の高い菌を使っていると思います。くっ付く場所によっては強い菌がより強くくっ付くため、良い菌同士であっても多少のバッティングはあると思います。
- Q4.ブルガリア人は便秘を知らないと言われましたが、下痢は知っていますか?
- A4.
- 下痢がどうして起こるかと言いますと、良くないものが入ってきたので早く排泄しようとする生理的な現象です。これを下痢止めで止めるのがいいのか、という問題もあります。ブルガリアの人にも下痢はあると思います。便秘の反対側に下痢があるということではないと思います。
- Q5.私はヨーグルトを選んで買ってきて、家で作っているのですが、何の意味もなかったのでしょうか。
- A5.
- 基本的にヨーグルトを作っている菌はブルとサーモで、この二つで十分だと思います。多くのプロバイオティクスは元々糞便から摂っている菌なので、牛乳の中で生えないのが当たり前で、色々な工夫をしないと生えません。ビフィズス菌入りのヨーグルトを買ってきて、ホームヨーグルタ―で増やした場合、次の第2世代にはビフィズス菌は殆どいないものとなります。基本的には、背景となっているブルとサーモが生えてくることになります。
ブルとサーモも重要な生理的機能を持っていますから、ヨーグルトとして摂ることは大きな意味があります。
- 基本的にヨーグルトを作っている菌はブルとサーモで、この二つで十分だと思います。多くのプロバイオティクスは元々糞便から摂っている菌なので、牛乳の中で生えないのが当たり前で、色々な工夫をしないと生えません。ビフィズス菌入りのヨーグルトを買ってきて、ホームヨーグルタ―で増やした場合、次の第2世代にはビフィズス菌は殆どいないものとなります。基本的には、背景となっているブルとサーモが生えてくることになります。
- Q6.菌数を表示して差別化する方が消費者にはわかり易いのではないでしょうか?
お腹を壊し易いかどうかの指標にもなるのではと思いますが。 - A6.
- 発酵乳には生きた菌として2週間の賞味期間の中は107個以上の菌がいるように設計されています。
乳酸に非常に感受性が高くて直ぐお腹を壊すタイプの人もいると思います。ところが乳酸は哺乳動物の腸管を最も刺激しない有機酸と言われており、過敏性の人は少ないと思います。気を付けなくてはいけないのは、ビフィズス菌を使っているヨーグルトには乳酸に加えて酢酸が入っています。酢酸と乳酸が共存しているとさらにお腹を壊し易いという人も出てくるかもしれません。どの様な菌が使われているかを確認する必要があります。
- 発酵乳には生きた菌として2週間の賞味期間の中は107個以上の菌がいるように設計されています。
- Q7.ホームメイドのヨーグルトの場合、市販ヨーグルトを種菌にする場合と、ケフィアのように市販の菌(粉体)を使った場合でも糞便がもとになっているのですか。
- A7.
- ケフィアなどに使われている菌は糞便由来ではありません。地中海ヨーグルトを継代培養されている方がいますが、これはホームヨーグルタ―がなくても室温でも菌が増殖しますし、あまり酸っぱくならないのに固まるのでファンが多いのですが、怖いのは、普通の室温で良く生えて酸っぱくならないのに牛乳が固まるというのは、カビと同じです。調べると毎回カビを培養して食べている方がおられます。それを防ぐ意味で、種菌が販売され、一定期間が過ぎたら(味がおかしく感じたら)廃棄し、新しい菌でスタートしてもらった方が良いと思います。
- Q8.ドリンクタイプと固形のものがありますが、効果的に差はあるのでしょうか?
- A8.
- 先に大きなタンクで固めて、その後カードを壊して安定剤とか果肉を添加して飲むタイプに仕立てたもので、基本的には固形タイプと同じです。法律上も区別していません。
- Q9.血液型がO型の人はあまり効果がないとのことですが、どの様に受け止めればいいのでしょうか?
- A9.
- 1900年代の初めまで輸血をして亡くなるかどうかはその人の運だと言われていました。その後A、B、O式の血液型の分類法が確立され、夫々の血液型を認識して結合する菌が圧倒的に多く、抗原決定基の違いによって結合する菌数に違いが出ます。O型の抗原決定基はフコースで、結合する菌は少ない。悪い菌も少ない代わりにいい菌も少ない。相当意識してガードしないといけない。
- Q10.市場には色々なヨーグルトが商品化されており、何も考えずに選んでいたのですが、お話では自分に合ったものを選ぶといいとのことですが、どの様に選んだらいいのでしょうか?
- A10.
- 何らかの機能性のヨーグルトの効果を確認したいのであれば、プレーンタイプのヨーグルトを1日100~200gずつまず1週間位食べ、腸管を一旦正常状態にリセットしていただき、その後試してみたい機能性ヨーグルトをどれか1個を食べ、効果効能を見ていただくのが良いと思います。