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第12回通常総会・設立社員総会及び設立披露式典を開催

去る5月20日(金)、社団法人日本乳業協会としての第12回通常総会、一般社団法人日本乳業協会の設立社員総会及び設立披露式典をホテルグランドパレスで開催いたしました。総会での会長挨拶と設立披露式典での会長挨拶及び来賓祝辞を掲載いたします。

- 総会 古川会長挨拶 -

総会 古川会長挨拶

本日の第12回通常総会にご出席いただき誠に有難うございます。開会に際し一言申し上げさせていただきます。まず、3月11日に東日本大震災が発生いたしました。多くの皆様が被災されお亡くなりになられた方もおられます。お見舞いを申し上げるとともにお悔やみを申し上げたいと存じます。

震災が起きてから2カ月以上が経ったわけですが、今回の震災に対し、まずは救援・支援がスタートして、その後に復旧活動が徐々に進み、これから本格的な復興ということが待ち望まれるところです。国家の有事であり自粛ムードが広くいきわたり、多くの行事等も随分多く見送られたケースもあったかと存じます。東京は照明も暗くエレベータもエスカレーターも止まっている為か西日本の方々から見ると東日本は皆、沈んでいるのではないかというような懸念がされている様です。これからは自粛ムードから復興に向かって欲しいと願っております。

支援活動については、日本乳業協会と致しまして会員のご理解ご協力を得まして、被災地への育児用粉ミルクの支援を行いました。被災地に対し、およそ6万缶を農林水産省の水産庁の船に乗せていただくなどして、被災地へ約2.5カ月分の支援をさせていただきました。また、被災地の酪農家の方々では直接被災された方も沢山おられますし、停電によって搾乳もままならない、仮に搾乳出来ても冷却出来ないなどによって生乳を廃棄せざるを得ないという被害を受けられたわけです。乳業者は酪農生産者の方々と車の両輪で進んでおり、生産者の方々の復旧、或いは再建に少しでもお力添え、またお役に立てるかと考え、被災地の生産者団体へ義捐金をお届けいたしました。乳業者の方々の中にも被災された会員がおられることから当該地域の県協会へお見舞い金をお送りさせていただきました。

今回の大震災では計画停電の影響もありましたし、或いはガソリンが足りないとか、一方では資材メーカーさんが被災しサプライチェーンが分断され今まで表に見えてこなかったような、資材や香料など一つでも不足すると生産活動に支障をきたすといった事態が表面化しました。これに加え、原発事故が発生し、さらに原乳の出荷制限等の様々なリスクにも我々は直面してきました。これから復興に向けて進んでいく中で、夏場の電力総量規制にも対処していかなければならないわけです。牛乳・乳製品は国民一人一人にとって生活必需品であり、我々は安定的に提供できるように夫々が努力していかなくてはならないということを今回改めて強く感じ、考えさせられました。

日本乳業協会は4月から一般社団法人として新たな一歩を踏み出すこととなりました。本年度も日本乳業協会が掲げていた5つの重点課題に取り組んでいきますが、それに加えて先程来申し上げたとおり震災からの復興ということが、もう一つのテーマとなってまいります。
6月の牛乳月間におきましては「おいしいミルクセミナー」を北海道、首都圏、関西圏の3カ所で実施いたします。また、例年「全国一斉工場見学会」を行なっておりますが、震災の影響を配慮いたしまして、10月に延期し全国一斉に実施する計画を立てております。10月には「おいしいミルクセミナー」も更に名古屋と北九州の2カ所で予定しております。こういう取り組みを通じ牛乳・乳製品の消費拡大につなげ、少しでも日本全体が元気になることにつながればと願っている次第です。

環境リサイクル対策につきまして、2010年度は大きな節目の年でした。今年度は次の目標に向けてのスタートの年となります。引き続き関係諸団体と連携を取りながら推進してまいりますので、会員の皆様におかれましては環境意識を更に高く取り組まれるようお願い申し上げます。

震災等の影響もあり、4月の生乳生産、或いは需要動向を見ると先々乳製品の過不足が懸念されているところです。乳製品の需給につきましては、各社協力しあって過不足のバランスが生じないように、そして行政には適切な措置をお願いして市場の中で混乱が起きることのないよう皆で努めていかなくてはいけないと考えているところです。

本日は旧法人としての最後の決算総会となります第12回通常総会、引き続きまして新法人としての設立社員総会を開催いたしますので、慎重なるご審議をお願い申し上げ、開会の挨拶とさせていただきます。

- 設立披露式典 古川会長挨拶 -

設立披露式典 古川会長挨拶

本日は皆様ご多忙のところ「一般社団法人日本乳業協会 設立披露式典」にお集まりいただき、誠に有難うございます。
日本乳業協会は、平成12年に社団法人日本乳製品協会、社団法人全国牛乳協会、日本乳業協議会の3団体が統合合併して社団法人日本乳業協会として設立しました。法人制度の改正に伴い、11年目の今年度より、内閣府公益認定等委員会から移行認可を受け、一般社団法人日本乳業協会として新たなスタートをいたしました。

先ほど、旧法人の最後となる第12回通常総会を開催し、最終年度の決算についてご審議をいただきました。引き続いて新法人の設立にあたっての設立社員総会を開催し、会費の徴収方法や役員の一部改選についてご審議をいただきました。いずれの議案も原案通りご承認いただきましたことを、ご報告申し上げます。

一般社団法人になりますと役員選任につきましては投票形式でやることになりましたが、全候補者は満票で信任されましたことをご報告申し上げます。本日は、法人が新たになったことを記念し、例年は総会後に懇親会ということでお互いの懇親の場を設けさせていただいておりましたが、今回は設立披露式典ということで名前だけは仰々しく開催させていただきましたところ、今井局長様をはじめご多忙の中、ご来賓の皆様、各界を代表する方々にご出席いただきましたこと、心より感謝申し上げます。

賛助会員の皆様もご出席いただいておりますが、今回の東日本大震災に対してはサプライチェーンが混乱・分断される中で、乳業者を賛助会員の皆様が支えていただき復旧がスムーズに進められたことを日本乳業協会として、厚く御礼申し上げます。
法人として新しくなり幾つか変わった点もありますが、この機会に我々乳業協会一同、気持ちを新たにして乳業事業の改善、牛乳・乳製品の衛生品質の向上等に努めていくことにより、我が国の酪農乳業の健全な発展と国民の公衆衛生の向上に寄与してまいりたいと考えております。今後とも皆様方の多大なご協力、ご支援をお願い申し上げる次第です。

さて、日本乳業協会には5つの重点課題がございます。
1.品質及び安全性の向上による消費者の安心・信頼の確保
2.牛乳・乳製品の消費拡大と需給の均衡
3.国際化の進展への対応
4.乳業事業の改善と合理化の推進
5.環境・リサイクル対策の推進
いずれも重要なテーマですので、本年度も重点課題への取り組みを中心に進めてまいりたいと考えております。

今回の大震災を通してサプライチェーンが分断される中で色々な課題が明らかになってまいりました。先般の理事会の際、農林水産省牛乳乳製品課の倉重課長様から3つの課題のご提示がありました。
一点目は酪農・乳業ともエネルギーについて、電力に依存していることへの反省で、電力が止まると赤ちゃん用ミルクやヨーグルト等の製造に影響したり、或いは酪農生産者の方々も電気が無いと搾乳も出来ず、また、クーラーステーションで原乳を冷却することも難しくなります。この様なエネルギー部分について、今後どの様にしていくのかという課題を示していただきました。
二点目が生乳や製品の安全性を川上から川下まで一体的に担保して行くというお話をいただきました。震災を機に消費者の方々のマインドがどの様に変化してきているのかという調査によりますと、やはり安全・安心について今まで以上に高い関心が強く出ているという結果が出ています。8割くらいの方がそういう方向で、自分自身も努力して安全を確認していくという消費者の動きが出てきています。我々は川上から川下まで安全性を確保していくことに取り組んでいかなくてはならないというご提示でした。
三点目は、これは停電で我々も非常に苦労いたしましたが、製品によっては首都圏などに工場が一極集中していることから、計画停電があると供給面に支障をきたすということについて考えなくてはならないこと。あわせて集送乳を含め見直しをしていくべきであるといった課題の提示がありました。非常に重要な課題でもあり、大きな課題であるので行政の皆様にもご相談申し上げながら対応を進めてまいりたいと考えております。

6月の「牛乳月間」の取り組みにつきして、ご報告させていただきたいと思います。通常「全国一斉特別工場見学会」を開催しておりましたが、ご存知のとおり震災の影響がありますので10月に延期することといたしました。しかしながら、「おいしいミルクセミナー」を6月に東京、旭川、姫路の3カ所で実施する予定です。また、10月には延期いたしました工場見学会を全国一斉に実施するとともに、ミルクセミナーも名古屋と小倉の2カ所で予定しています。こういった取り組みが牛乳・乳製品の消費拡大につながり、少しでも多くの国民の方々に貢献できればと願っております。

本日はこの様な催しをさせていただいたわけですが、自粛も大事ですが、しかし、復興の為には自粛ばかりしていると復興に進まないわけですので、そういった意味で本日は自粛ムードを吹き飛ばして酪農乳業界が元気になるよう皆様方と共に杯を酌み交わしご歓談申し上げたいいと存じます。

- 農林水産省 今井生産局長祝辞 -

農林水産省 今井生産局長祝辞

この度、日本乳業協会が一般社団法人として設立され、本日、設立披露式典が盛大に開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。

まず初めに、この度の東日本大震災の被災地並びに被災された皆様方に対し、心よりお見舞い申し上げます。今回の大震災にあたり、貴協会におかれましては粉ミルクをはじめとする支援物資の提供や義捐金の寄付に取り組んで頂き、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

さて、貴協会におかれましては、社団法人として発足して以来、牛乳・乳製品の衛生及び品質の向上を図ることにより、わが国の酪農乳業の健全な発展及び国民の公衆衛生の向上に重要な役割を果たしてこられました。これまでの皆様方の御尽力に対し、深く敬意を表する次第であります。
この度、いわゆる公益法人改革により一般社団法人に移行されることとなりましたが、引き続き、一般消費者向けへの牛乳・乳製品に関する食文化の育成、啓発等に取り組まれるとお聞きしております。こうした取り組みは、引き続き公益性が高いものであり、今後とも牛乳・乳製品の消費の拡大、さらにそれを通じた酪農及び乳業の発展に必ずや貢献するものと期待する次第でございます。

ところで、牛乳・乳製品をめぐる情勢を見ますと、今般の震災の影響を大きく受けた分野の一つであり、首都圏を中心に一時的な牛乳やヨーグルトの不足もみられました。供給量を増加させるための製造品目の集中や、処理施設の早急な復旧等により、現在ではほぼ正常化しておりますが、関係者の御努力に敬意を表する次第であります。
今後の生乳需給につきましては、震災の影響により不透明な部分も多いことから、動向を慎重に見極めていくことが必要であり、国としても被災地の一日も早い復興に取り組むとともに、正確な情報の提供・周知に努めてまいります。尚、カレントアクセスについては、本月26日には年末の需要期に間に合うよう、当初の方針通りバターの輸入入札を行うこととしており、今後とも需給に見合った適切な運用に努めてまいります。皆様方におかれましても、需給の安定に向け、計画的な対応をよろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、貴協会におかれましても、引き続き我が国の酪農・乳業の一層の振興・発展に御協力頂くよう、お願い申し上げますとともに、貴協会の益々の御発展と本日御参集の皆様方の御健勝を祈念して、私の挨拶といたします。

当協会役員交代のお知らせ

新任
東倉健人 専務理事
渡辺孝正 常務理事
小板橋正人 常任理事
退任
青木美郎 専務理事
高松久夫 常務理事
瀧澤喜造 常務理事
田端経夫 常任理事