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日EU・EPA交渉の大枠合意に係る要請事項について

今回の日EU・EPA交渉において、基幹的な乳製品であるバター及び脱脂粉乳については、国家貿易を維持し、限定的な民間貿易枠の設定に留めたことは、日本の酪農乳業への影響を最小限に抑えた交渉成果であったと受け止めています。
一方、チーズやホエイについては、長期間での段階的な関税引き下げやセーフガードの設定などの配慮が行われました。しかし、チーズについては、基幹的なハード系チーズやクリームチーズの関税を撤廃することとしたことに加え、ソフト系チーズについても、「関税割当制度を適用し、国産のチーズ振興と両立できる範囲に留めた」としているものの、その影響が懸念されます。
近年、国が策定した「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(以下「基本方針」)の下、北海道においてチーズの生産能力が大幅に強化されるとともに、6次産業化が進められる中、チーズ製造プラントが全国で数多く操業を開始しており、今回の合意がこうしたプラント経営にも、徐々に影響を及ぼしていくのではないかと危惧しております。
乳業としては、引き続き高品質で日本の食文化や日本人の嗜好に合ったチーズ等の開発に努めることは当然のことですが、EUからの輸入乳製品との競争力を維持・確保する観点から、以下の事項を国に対して強く要請いたします。

- 要請事項 -