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第10回定時社員総会を開催

- 定時社員総会 西尾会長 挨拶 -

本日はご多用の中、「第10回定時社員総会」にご出席をいただき、誠にありがとうございます。ご承知の通り、都内に「緊急事態宣言」が発出されておりますが、感染防止には十分配慮した上で、出席者を制限しての開催とさせていただきました。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
また、会員各位には、当協会の事業運営に対し、平素より格別のご支援、ご協力をいただいておりますこと、心よりお礼申し上げます。

ご挨拶を申し上げる前に、訃報のご報告がございます。
当協会副会長として長年ご尽力いただきました、中央製乳株式会社  代表取締役社長の川澄宏匡(かわすみ ひろまさ)氏が、4月28日にすい臓がんにて逝去されました。享年67歳でした。謹んで哀悼の意を表したいと思います。
なお、通夜ならびに告別式は、故人の遺志によりご家族のみで執り行われており、後日、お別れの会が執り行われるとのことです。

さて、新型コロナウイルス感染症については感染拡大が続いており、政府は、東京・大阪など4都府県に発令している「緊急事態宣言」を5月31日まで延長し、新たに愛知・福岡両県を追加いたしました。また、インド由来の新型コロナウイルス変異株の感染拡大も懸念されており、ワクチン接種は始まっていますが、今後の感染状況には一層注意が必要となっております。
乳協では基本的な感染対策を引き続き徹底して、今後の事業活動を進めて参りたいと考えております。

こうした中、牛乳乳製品の需要に目を向けますと、牛乳類やヨーグルト、バターなどの家庭内消費は、昨年の反動はあるものの、ゴールデンウイーク中は、気温の上昇とともに堅調に推移し、生乳処理についても大きな混乱なく乗り切ることができました。
一方、業務用需要は、飲食店への時短要請や休業要請が継続されていることに加え、オリンピック・パラリンピックの開催が近づいてきているものの、インバウンド需要が戻らないことから、その回復の遅れが深刻化さを増してきており、今後も厳しい状況が続くものと考えられます。
変異株による感染割合の拡大に伴い、消費動向の不透明な状況が続く中で、全国の生乳生産がピークを迎えていることから、全国的な需給調整や生乳処理努力とともに、牛乳乳製品の消費拡大の取組みを酪農乳業界が一丸となり、より一層強化する必要があると認識しております。
このように、変異株による感染割合の拡大に伴い、不透明な消費動向が続く中、好調な生乳生産は続き、そのピークを迎えています。全国的な需給調整や生乳処理を行う一方で、バターや脱脂粉乳などの乳製品在庫は積み増し、乳業者の負担増が懸念されるところです。酪農乳業界が一丸となり、国の対策活用も踏まえ、牛乳乳製品の需要拡大に向けた取組みを一層強化する必要があると強く認識しているところです。

当協会では牛乳乳製品の普及啓発活動はもとより、2020年度は農水省で予算措置されました「生乳需給改善促進事業」、いわゆる「脱脂粉乳の出口対策」の事業実施主体として、乳業者が国産脱脂粉乳を飼料や輸入調製品に置き換える支援を行って参りました。
2021年度は新たに「国産乳製品需要拡大緊急対策事業」の事業実施主体として、生産者団体とも連携しながら「バターの出口対策」の支援を行い、在庫の縮減を図って参ります。 更に、農水省では農林水産物・食品の輸出拡大に向けて、2030年までに5兆円という輸出目標額を掲げていますが、牛乳乳製品には720億円の輸出が期待されています。当協会としても、農水省の進めている「畜産物輸出コンソーシアム推進対策事業」に協力し、国産牛乳乳製品の輸出促進活動を後押して参ります。

さて、当協会は企業存立の基盤強化を図る上で「食の安全と消費者からの信頼確保」の取り組みを、最重要課題と位置付けております。
「HACCPに沿った衛生管理の制度化」は、いよいよ来月6月からHACCPの義務化が本格施行されることになります。牛乳・乳飲料やバター・クリーム製造に係るHACCP手引書については、すでに厚労省並びに乳協のHPに公表しております。
なお、今月26日から、小規模事業者が参考とすべき手引書への理解を深めることを目的とした「HACCP手引書講習会」をオンデマンド配信で予定しているところです。
また、牛乳容器の規制緩和要望については、昨年10月に厚生労働大臣あて要望書を提出し、その後、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会容器包装部会及び内閣府の食品安全委員会での審議を経て、現在パブリックコメントの募集が行われています。

本年7月に告示改正が予定されていると承知しており、今後、消費者の利便性や環境にも配慮した牛乳容器の設計が可能になるものと評価しております。
コロナ禍においても、わが国の酪農乳業を取り巻く環境は、刻々と変化しております。
そのような中、「国際化の進展」、酪農分野における「SDGs」「アニマルウェルフェア」等の国際的なルールや規範などへの対応、農水省の「みどりの食料システム戦略」や「国連フードシステムサミット」などと連携したJミルクの「提言」に対する検討、また、酪農乳業を持続可能な産業としていくための「プラスチック資源循環」など「環境への配慮」を含め、国内外の環境変化や課題対応に取組んで参ります。

課題山積の酪農乳業界ではありますが、2021年度の事業推進に当たっては、
1:「ニューノーマル時代」に対応し、適切な事業の推進に取り組める体制を整備し、酪農乳業の発展のためにより一層の力を発揮することで、酪農乳業界や会員にとっての当協会のプレゼンスを高めていくこと。
2:協会活動を通して、会員・都道府県協会傘下の会員との一体感を醸成して行くことを念頭に置き、課題や取り組みを精査しながら着実に推進して行くこと。 
この2点を重要視点として、事業活動に邁進してまいります。
会員各位のご支援を引き続きお願い申し上げます。

本日は、これより2021年度事業計画書と収支予算書についての報告、並びに2020年度事業報告書案及び決算書案、また本年度の「会費徴収」等についてご審議いただくこととなっております。
慎重審議と円滑な議事進行にご協力をお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。