平成29年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催

一般社団法人日本乳業協会をはじめ乳業13団体は1月6日(金)にホテルグランドパレス(東京飯田橋)で平成29年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催し、乳業13団体会員のほか賛助会員、関係官庁、酪農関係者など約1,000人が参集し、新年の祝賀と乳業界の発展を誓いました。
主催者を代表し一般社団法人日本乳業協会川村和夫会長が挨拶し、次いで来賓の方々より祝辞をいただきましたので、以下に掲載いたします。

【一般社団法人日本乳業協会 川村会長 挨拶】

一般社団法人日本乳業協会 川村会長 挨拶

あけましておめでとうございます。
日本乳業協会の会長を務めております川村でございます。
会員企業の皆様、賛助会員の皆様、年始のお忙しい中、かくもたくさんの皆様にお集まりいただいて賀詞交歓会を開催できましたこと、乳業関連13団体を代表して、心から御礼を申し上げます。
また、日頃からご指導をいただいております行政の皆様にも多数ご出席をいただいておりますこと、併せて御礼を申し上げます。
ご紹介申し上げますと、農林水産省から大野畜産部長様、厚生労働省から北島生活衛生・食品安全部長様、消費者庁からは東出審議官様、この他にも行政、関係団体から多くのご来賓の皆様にご出席を賜っております。あらためまして御礼を申し上げます。

さて、酪農乳業界は、昨年は例年以上に様々な課題に見舞われた一年であったと思います。一つには、指定団体改革、二つには、新たな補給金制度のスタート、三つ目には、社会的にも大きな関心を集めました液状調整乳の課題などでありました。本日、司会を務めております田村専務も何度も新聞紙上にお名前が登場し日本乳業協会の名前も紙面を賑わせた一年であったと思います。
業界内部から見ている私からしますと、別の視点で2016年は注目される年になったのではないかと考えております。それは、需要と供給のアンバランスということであります。
まず、需要についてでありますが、牛乳・乳製品の需要が総じて好調であった年と捉えております。これまでも好調であったヨーグルト、アイスクリームが引き続き好調を維持し、これに加えてチーズも消費は好調に推移しました。これらの需要はいずれも過去最高を記録すると予測されております。そして何よりも大きな事柄は、長年減少を続けてきた牛乳が一年を通して前年を上回り、いよいよ下げ止まりの兆候を示しているのではないかという、業界にとっては大変明るい需要の年であったと思っております。
一方、それを支える供給の方でありますが一端持ち直した生乳生産は、昨年の9月以降、台風被害や乳牛頭数の減少が影響して年末に発表された11月の数字を入れますと累計でも減産に転じており、生乳生産基盤の弱さはなかなか払拭できない年になりました。
そうした中で、2017年どのような年になるのかを展望しつつ、国内の酪農乳業を一体の産業として見た時に、今年の課題は大きく2つではないかと考えております。

一点目は、需要が好調な中で生乳生産基盤の弱さは酪農だけの問題ではなく、乳業にとっても大きなリスクになるということです。乳業としても、これ以上の生産基盤の弱体化を座して見ているだけで良いのか、ということであります。
いまJミルクでは、乳業者の拠出金で不足する乳牛資源の回復を図るため、生産者が海外から乳牛を導入することに資金援助を行うという、画期的対策を新たな事業として立ち上げようとしています。これまでももちろん生産者側では、従来から増産対策として様々な施策が講じられて来ています。また、国の政策もここに大きく投入されてきております。そうした中で今回の事業は、Jミルクへの新たな拠出金としては乳業者だけが拠出するという枠組みで検討が進んでいます。生産基盤の強化に向けて乳業としてもより深く関与し、貢献していこうという趣旨であります。
本日、お集まりの乳業者の皆さんにも、生産基盤の弱体化は、いずれ乳業にも降りかかる課題になるとの認識を深めていただき、Jミルクの新しい事業へのご理解ご協力をお願いしたいと思います。

二点目は、好調な需要があるうちに、乳業の競争の軸を「価格」から「価値」に転換していくべきだということであります。牛乳を中心とした「価格競争からの脱却」は乳業界でも久しく叫ばれてきましたが、残念ながら未だに実現していません。いま底堅い需要がある牛乳・乳製品が盛り上がってきつつある中で、今を逃しては未来永劫こうした価値による競争への転換は実現しないと考えます。価格競争からは新しい需要は生まれません。過去20年の牛乳消費がそれを明らかに証明していると考えております。価値を競う競争だけが新しい需要を生み出してくれると考えております。
この他にも、課題をあげれば尽きないとは思いますが、酪農乳業がこれからも成長産業としてTPPやEPAの中で生き抜いていくには、いま申し上げた2点がこれからは大変重要な視点になるのではないかと考える次第であります。

最後になりますが私は、これまでも酪農乳業は周りからの介入なくしても、自己改革を続けて来た自立した産業であったと考えております。また、これからも自立した産業であり続けると強く確信するものであります。
2017年、自己改革、自己革新を成し遂げて、この酪農乳業界に多くの福を取り込める一年になることを祈念申し上げ、賀詞交歓会の開会の挨拶とさせていただきます。本年も、よろしくお願い申し上げます。

【農林水産省 生産局 大野畜産部長 挨拶】

農林水産省 生産局 大野畜産部長 挨拶

あけましておめでとうございます。
只今ご紹介賜りました畜産部長の大野でございます。
平成29年乳業団体合同新年賀詞交歓会の開催にあたりまして一言ご挨拶申し上げます。
本日はこのように多くの方々が集う中、賀詞交歓会が盛会裏に開催されておられますこと心からお喜び申し上げます。また、本日ご列席の皆様におかれましては、平素より私ども畜産行政の推進にあたりまして多大なご支援ご協力賜っていますこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

さて、昨年を振り返ってみますと、4月の熊本地震発生、相次ぐ台風と非常に災害の多い年でありまして、酪農乳業にも大きな被害をもたらした年であったと思います。あらためて被災されました方々にお見舞い申し上げますとともに、こういう中にあって支援物資の供給、あるいは困難な集送乳にご尽力いただきました乳業関係の皆様方に深く感謝申し上げます。
私どもも災害が起こるたびに即座に職員を派遣し、被災された酪農家の方々の再建支援や不足する飼料の供給支援、あるいは損壊した乳業施設の再建などにできる限りのご支援をさせていただいておるつもりですが、引き続き被災地の復旧・復興のため被災された方々に寄り添う形で、全力でご支援してまいりたいと考えております。

先ほど川村会長からお話がありましたが、昨年は酪農乳業界にとって激動の一年だったのではないかと考えております。昨年1月にもこの場でご挨拶させていただきましたが、その時は一昨年10月5日のTPP大筋合意、11月25日のTPP関連政策大綱というのを実際に具体化していくという時期でございました。政策大綱は大きく2つの柱から成っておりまして、酪農畜産の生産基盤強化を図るための強化策、そしていざというときの備えとして経営安定対策、この2本の柱からなっているわけです。体質強化につきましては昨年1月に、その中心となる地域ぐるみで酪農畜産の収益、生産性向上を盛り上げていく畜産クラスター事業だけでも610億円の予算措置させていただきました。また、10月には685億円、あわせて1,295億円の体質強化策というものを措置させていただいたところです。経営安定化策には、これまでの加工原料乳生産者補給金制度はバター・脱脂粉乳等、チーズを対象としていましたが、これからますます需要の伸びが期待できる生クリームといった液状乳製品、これを補給金制度の対象に加える、そして補給金の単価を一本化することによって需要の動向に応じて何を作っても同じ額の補給金が支払われる仕組みに変える、そしてこれをTPP協定発効に先立ち準備が整い次第、実施に移すということで今年の4月からですが、改革した制度を導入することにしております。

川村会長には審議会の委員になっていただいており、昨年末に来年度から適用します補給金単価、交付の対象数量それぞれ10円56銭、350万トン、加えて加工原料乳生産者補給金の昨年度の予算額は306億円ですが、それを370億円に大幅に増やすことをやらせていただき、審議会の委員の先生からも一定の評価を得られたと思っております。
昨年は改革の絡みでいいとこ取りという言葉がわりと酪農乳業界では流行語みたいになっておりましたが、規制改革推進会議の提言の中で朝夕の搾乳、これは毎日ある、こういった酪農の働き方改革を支援すべきというご意見を頂戴いたしましたので、ここのところは早速頂戴いたしまして、酪農家の方々が搾乳ロボット等の省力化のための機械を導入する支援措置も、年末に併せて予算の概算決定をさせていただきました。
昨年1年間講じました体質強化策それから経営安定対策の強化、こういったものを車の両輪として酪農家の方々の所得の向上、また、これを通じた酪農の生産基盤の強化、そしてこれらによる酪農乳業界の発展というものを畜産部挙げて全力で取り組んでいきたいと思っております。

昨年は規制改革推進会議から現在の生乳の指定団体制度を廃止するという剛速球が唐突に投げかけられたということで、酪農乳業界は騒然としたわけですが11月28日に農業競争力強化プログラムという形で牛乳・乳製品の改革について最終的な方向性を示させていただきました。飲用向けと乳製品向け、生乳の調整の実効性を担保すること、また、部分委託について場当たり的な利用を認めない、また、条件不利地域で搾乳されている酪農家の方々からも確実に集乳するといったことを前提に、酪農乳業界の方々のご意見を賜りながら制度を設計していくという形で公表されたところです。私も年末年始、縷々考えていましたが、やはりいま指定団体が果たしている機能をしっかり維持していくことは非常に重要だと思う一方で、50年間続いてきた制度でありますので、時代の変化に応じて酪農に従事される方が自由な発想で柔軟性をもって経営を展開できる環境を整備していくことも重要であると思っております。両方のバランスをとることは様々なご意見がある中で、非常に困難な仕事であると思っております。
昨年1年間、畜産部が我が国酪農乳業の発展のために講じてきた施策をご覧いただければ基本的スタンスがどういうところにあるかご理解いただけるのではないかと期待しております。私どもが最もバランスのとれた我が国酪農乳業の発展のためになる改革を今年は進めていきたいと考えておりますので、この場を拝借して倍旧のご指導ご鞭撻を賜りたいとお願い申し上げます。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックがもうそこまで来ております。国内の少子高齢化が進む中で、非常に安全・安心で品質に優れた日本の畜産物の需要を拡大していくためには、こういった場を利用して日本の畜産物の素晴らしさを訴えていくことがインバウンド・アウトバウンドの需要フロンティアの開拓というものを実現していくうえで非常に重要だと思っております。畜産でも遅まきながらJGAPというものを作って、いまパブリックコメントにかけさせていただいております。是非とも、国内外に日本の畜産物の素晴らしさを訴えていきたいと考えておりますので、その面でのご支援ご協力もお願いできればと思っております。

最後になりましたが、本日ご参会の皆様のますますのご健勝ご多幸、それから酪農乳業界の更なる飛躍を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

【厚生労働省 医薬・生活衛生局 北島生活衛生・食品安全部長 挨拶】

厚生労働省 医薬・生活衛生局 北島生活衛生・食品安全部長 挨拶

皆様、あけましておめでとうございます。
本日はお招きいただき有難うございます。
乳業13団体合同新年賀詞交歓会がこのように盛大に開催されましたこと、まずもってお祝い申し上げます。また、ご参会の皆様におかれましては、心新たに新年を迎えられたこととお喜び申し上げますとともに、昨年1年間、私どもの食品安全行政にご支援いただきましたこと、あらためて御礼申し上げます。

昨年は食品安全にとって大変大きな1年でありました。年末まで続きましたTPPの国会審議におきましても、連日、食品安全に関するご質問をいただき、国民の皆様の食に対する関心の高さを感じるとともに、また、日EU・EPA交渉におきましても諸外国からも日本の食の安全に関する期待を寄せられていることを、あらためて感じたところです。
そうした中で、乳業界の皆様におかれましては、いち早く総合衛生管理製造過程に取り組んでおられます。また、昨年のHACCPの審議におきましても業界をリードする形でHACCPの制度化に向けた議論に、ご参画ご理解ご協力をいただきましたこと、御礼申し上げたいと思います。
そして、いま私どもHACCPの制度化に加えまして、器具・容器包装のポジティブリスト化につきましても議論を進めているところです。こうしたポジティブリスト化、そしてHACCP、そうしたものを合わせまして、新たな食品の安全管理というものに関する制度の見直しを進めてまいりたいと考えております。
今年は酉年ということで、酉年は「時を告げる」ということもありまして、何かを始めるには大変よい年だと伺っております。そして、酉年の意味にはもう一つ「機が熟した」という意味があるそうなので、そういった機を逃さずに食の安全管理、そういった制度化に向けて更に具体的な議論を進めてまいりたいと考えておりますので、乳業界の皆様方におかれましても食品業界をリードする形で、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

また、昨年大きな話題になりましたのは、熊本地震の際に乳児用液体ミルクが大変活躍したということで、近年注目が集まっております。また、男性の育児参加、そして働く女性の育児のうえでも育児用液体ミルクに期待が大きく寄せられているところでございます。
皆様方におかれましても、この製品化に向けて取り組んでいただいているところと伺っておりますけれども、我々といたしましても科学的根拠に基づいて規格・基準の設定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。

また、今年は2017年ということで2020年のオリンピック・パラリンピックがいよいよ近づいてまいったところでございます。オリパラの事務局からも食の安全に関しては強い関心を寄せられておりまして、私どもといたしましても多くの外国人の観光客の皆様、オリパラにいらっしゃる皆様方をおもてなしの心でお迎えするうえで、この食の安全管理というものが欠かせないものと考えているところです。
こうした中で、乳業界の皆様方におかれましても、この日本の素晴らしい乳業、食品の質の良さを発信していただくとともに、食の安全管理に一層のご高配を賜りたいと考えております。

2025年には万国博覧会を誘致しようということで、大阪府そして政府が一丸となって誘致に動こうという機運が高まっております。業界団体の皆様におかれましても、この万博誘致にご協力いただければ大変幸いでございます。

結びに、本日ご参会の皆様方のご健勝とますますのご活躍、そして乳業13団体はじめ食品業界の皆様のますますのご発展を祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

【消費者庁 東出審議官 挨拶】

消費者庁 東出審議官 挨拶

あけましておめでとうございます。
消費者庁で審議官をしております東出と申します。
本日は合同新年賀詞交歓会にお招きいただき有難うございます。
皆様方には、日頃から消費者庁の各施策にご理解とご協力を賜っていますとともに、公正取引規約にもご尽力いただいており、あらためて御礼申し上げます。

消費者庁発足から8年目というところでございまして、いま8年目の1/3が過ぎたところですが、消費者が安心して安全で豊かに暮らせるよう各種取組みを行なっております。その中でも表示の適正化は消費者の安心を支える大きな柱の一つと考えております。食品の表示につきましては昨年暮れに若干動きがありましたので、この機会にご紹介させていただきたいと思います。乳業製品に限ってという話ではありませんが、加工食品の原料原産地の表示につきまして検討を行なっておりましたが、中間取り纏めを行ないまして公表しております。また、食品のインターネット販売における表示のあり方についても、報告書が纏まっております。直接の食品表示ということではありませんが、関係するもとのいたしまして特別用途制度についても報告書が公表されておりますし、機能性表示食品の機能性関与成分の取り扱いについても報告書が取り纏められています。今後これらにつきまして、いろいろ具体化となっていくかと思いますので、関心をもって見ていただければと思っております。

こういう新しいことが起きるのですが、表示につきましては正確な情報をわかりやすい形で消費者に伝えていただく基本部分は変わらないと思いますので、皆様方には引き続き、表示の適正化に取り組んでいただくと、それによって消費者の信頼を得ていただいて、それを業界の発展に繋げていただくことをお願いするとともに、各団体・各社、ご列席の皆様のご活躍を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。