平成28年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催

一般社団法人日本乳業協会をはじめ乳業13団体は1月6日(水)にホテルグランドパレス(東京飯田橋)で平成28年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催し、乳業13団体会員のほか賛助会員、関係官庁、酪農関係者など約1,000人が参集し、新年の祝賀と乳業界の発展を誓いました。
主催者を代表し一般社団法人日本乳業協会川村和夫会長が挨拶し、次いで来賓の方々より祝辞をいただきましたので、以下に掲載いたします。

【一般社団法人日本乳業協会 川村会長 挨拶】

一般社団法人日本乳業協会 川村会長 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
乳業関連13団体を代表いたしまして一言ご挨拶申し上げます。
本日は公務ご多忙の中、厚生労働省からは福田生活衛生・食品安全部長様、農林水産省からは大野畜産部長様、消費者庁からは菅久審議官様、内閣府食品安全委員会からは姫田事務局長様をはじめ行政、関係団体等、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます。

さて、昨年の酪農乳業界はTPPの大筋合意など引き続き厳しい中でありましたが幾筋かの巧妙を見出した一年であったと考えております。ここ数年マイナストレンドが続いていました生乳生産が1%弱ではありますがプラスに転じたということ、更に、これも長く前年割れを繰り返してきました牛乳消費が4月の価格改定にも関わらず数量ベースで前年を上回る動向を示していること、いずれもまだまだ予断を許さないとはいいましても、業界にとっては極めて嬉しい動きであったと考えております。
この良いトレンドを一過性のものに終わらせず、TPP大筋合意を含めた課題を力強く乗り越えていく観点から3点ほどにまとめてご挨拶にかえさせていただきます。

1点目は極めて当然のことでありますが、あらためて国産の牛乳・乳製品の価値を我々事業者が強く再認識していこうということであります。弱体化した生乳生産基盤をどう立て直すのか、またTPPの大筋合意を受けて酪農乳業はどう対応していくのか、2015年は酪農乳業界がこれからの10年、20年を見据えて大きな転換点になる1年であったと考えております。
昨年の酪農及び乳用牛の近代化基本方針の議論の中でも、まさにここに焦点が当たっていたと認識しております。私も畜産部会の委員の一人としてその議論に参加させていただきましたが、その議論を聞きながらずっと思っていたのは、海外乳製品は我々酪農乳業にとって本当に脅威なのかということでありました。私はこれまでの事業活動を通じて消費者の皆様やユーザーの方々との対話を通して国産の牛乳・乳製品に対するニーズは極めて高く、今後もその安定供給を強く望まれていることを感じてきました。国産お価値はお客様に十分理解され、価格以外の価値も十分理解されていると感じております。ではなぜここまで海外との競争に怯え、そして何よりも今もって不毛な価格競争が続いているかということです。我々業界人こそが、もっと国産の価値を強く認識して価格を競う競争から価値を競う競争に転換していかなければならないのではと考えています。少し誤解を恐れずに言えば、今の酪農乳業は外圧でつぶされることはないと考えております。国産の価値を広め、より安定した供給によって更に信頼を高めていく、このサイクルをしっかり回していけば必ずや展望は見出せると確信しております。価格から価値の競争へ業界そのものの覚悟が問われていると感じております。

2点目は酪農乳業の一体感を更に高め一体となって課題解決に取り組んでいこうということであります。昨年は自民党のワーキンググループの検討を受けて農林水産省生産局長の諮問機関として生乳取引のあり方等検討会が設置され、入札取引の試験的導入などを主な内容とする報告書がまとめられました。
また、国の規制改革会議の検討テーマとしてバター不足への対応、指定団体制度の見直しが現在遡上に上がっております。いずれも外部の目から見た酪農乳業界の課題について、思い切った見直しを行う動きでありますが、酪農乳業の特性、これまでの様々な取り組み経過についても業界の外の皆様に正しくご理解いただくことが必要であると考えております。
一方、より良い酪農乳業の将来を構築するためには、もちろんこうした外部の方々からのご意見に耳を傾けることは大変重要であると感じておりますが、外部からの要請ではなく業界自らそうした課題の本質に向き合って課題解決のため主体的に取り組んでいくことが肝要ではないかと考えます。自らの将来は自ら決することができる業界でありたいと考えております。そのためには、酪農と乳業がより一体感を高め一体となって課題解決に取り組んでいくことが何よりも重要だと考える次第であります。

3点目は、酪農乳業にとって安全・安心こそが全ての礎だということです。この点については昨年の賀詞交歓会の中でも同様の趣旨のことを申し上げました。幸い酪農乳業界においては、大きな品質事故もなく安定した状態が続いております。会員企業の皆様のご努力によるところが大であり、また行政当局のご指導も含めて良い状態が続いていると深く感謝しております。
しかしながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、食品への品質や表示への要求は確実に高まると見通されています。日本乳業協会としても、HACCPの導入・促進など品質・衛生の向上にこれまで以上に注力してまいりたいと考えております。あわせて昨年施行された食品表示法に対しても適切的確に対応し業界としての信頼性を高めていかなければならないと考えています。縷々申し上げてまいりましたが、2015年度の良い流れを是非とも2016年にも繋げていきたいと心から念願しているところです。

結びに当りまして、ご臨席を賜りました、行政、関係団体の皆様のご指導ご鞭撻をあらためてお願い申し上げます。加えて酪農乳業にかかわる全ての皆様のご支援とご協力をお願いするとともに、酪農乳業界の益々の発展と本日ご出席の皆様のご健勝を祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。
本年も酪農乳業を宜しくお願い申し上げます。

【厚生労働省 医薬・生活衛生局 福田生活衛生・食品安全部長 挨拶】

厚生労働省 医薬・生活衛生局 福田生活衛生・食品安全部長 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
皆様方におかれましては、心新たに2016年をお迎えになられたことと心よりお喜び申し上げます。
年頭にあたり、平素より厚生労働行政の円滑な推進に深いご理解とご協力を賜っておりますこと、あらためて厚くお礼申し上げたいと思います。

昨年10月、食品安全行政を所管する食品安全部は公衆衛生の維持・向上の観点から生活衛生関係サービス及び水道行政を一体的に実施するための組織といたしまして生活衛生・食品安全部という形で改組されました。新たな組織として初めて迎える年頭ということもあり身の引き締まる思いをもっているところであります。
食品につきましては、近年の食品流通のグローバル化や健康意識の高まりを背景として、食品の安全についての国民の関心は非常に高いものになっております。

まず、TPPに関連して申し上げますと輸入食品につきましては、今後の輸入食品の動向等を踏まえ輸入食品監視指導計画に基づく監視指導を着実に実施するとともに、二国間協議等を通じた輸出国の安全対策を推進することにより安全性の確保に努めてまいることとしております。
次に食品安全管理を推進するためには、原材料から製品までの工程管理によります効率的で確実な衛生管理が必要であります。先程お話にありましたHACCPに基づく衛生管理によります効率的で確実な衛生確保が必要であります。HACCPに基づく衛生管理につきましては、諸外国でも義務化が広がっており我が国でも更なる普及策を講じる必要があると考えております。
このため、HACCP普及推進連絡協議会、HACCPチャレンジ事業、地域連携HACCP導入実証事業などの各種取組みを進めているところでありますが、乳業界におかれましては、従来より総合衛生管理製造過程の承認制度を通じましてHACCPの導入に取り組んでいただいているところです。我が国のHACCP普及に際しまして業界として、また地域の先進企業としてリーダーとしてのご協力を引き続きお願いしたいと考えております。

また、器具及び容器包装につきましては国際的にも導入が進められておりますポジティブリスト制度の導入を見据え、昨年6月に食品用器具及び容器包装の規制のあり方に係る検討会で中間取りまとめを公表したところであります。今後はこの中間取りまとめを踏まえた施策を含めまして容器包装、更なる安全性の確保を図ってまいりたいと考えております。
本年も生活衛生・食品安全行政推進のため皆様方のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びになりますが、お集まりの皆様方の今後のご発展とご健勝を心より祈念申し上げます。

【農林水産省 生産局 大野畜産部長 挨拶】

農林水産省 生産局 大野畜産部長 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
平素よりご参会の皆様におかれましては、私ども畜産行政の推進にあたりまして多大なご支援ご協力を賜っておりますこと、この場をもって厚くお礼申し上げます。
とりわけ皆様もご記憶に新しい一昨年末のバター不足が大きな社会問題となりましたが、昨年は酪農乳業界の関係の方々のご尽力によりまして混乱を生じることもなく過ごせたことに感謝申し上げます。先程の川村会長のお話の中にありました生乳取引のあり方等検討会、10月に報告書を取り纏めさせていただきましたが困難な課題が多く、様々なご意見がある中で一定の報告書を取り纏めることができたというのも、ひとえに乳業団体関係の皆様のご協力の賜物であると考えております。

さて、昨年を振り返るのにやはり外せないことはTPP大筋合意であります。10月5日でしたがアトランタでTPP大筋合意いたしました。私ども畜産部も翌日から中央で、あるいはブロック・地域で説明会を開催させていただきましたし、TPP大筋合意に関するご意見ご要請を伺うために部の職員で手分けして回らせていただきました。私も関東はもちろんですが北海道と南九州を回らせていただきました。なかなか厳しいご意見も頂戴いたしましたが、そういったご意見を踏まえ11月25日に政府といたしまして総合的なTPP関連施策大綱というものを打ち出させていただきました。この中で酪農畜産については、まずは意欲ある畜産に携わる方々が将来に亘り希望をもって経営に取り組めるよう底支えセーフティネットとして酪農と関係の深い肉用牛肥育経営安定化特別対策事業、いわゆる牛マルキンと呼んでいますが、そういったものを法制化しまして補填率を引き上げる、そういったことを大綱の中に盛り込ませていただきました。

また、酪農について申し上げれば加工原料乳生産者補給金制度、現行はバター、脱脂粉乳、チーズが対象となっておりますが、生クリーム等を含めた液状乳製品を補給金対象にする、そして単価を一本化することも大綱に盛り込ませていただきました。そして他のセーフティネット、経営安定化対策をTPP協定発効に合わせて実施に移すということでありますが、補給金制度見直しにつきましては大きな構造変革を求められることもあり準備が整い次第、加工原料乳生産者補給金制度でほぼ全ての加工原料乳を対象にすることを考えておりまして、私どもできるだけ早く、できれば平成29年度から実行に移したいと考えております。
こういったセーフティネットと合わせて、やはり酪農の生産基盤を強化しなければいけないことを政策大綱に盛り込ませていただいておりまして、昨年末に27年度の補正予算が決定されましたが、この中で地域ぐるみで酪農畜産の収益を上げていく畜産クラスター事業ですが、もう本年の場合をはるかに超える610億円を措置したのをはじめ、様々な草地基盤整備ですとか、あるいは新技術を活用した性判別の精液ですとか、輸出振興対策といったものを補正予算の中で措置させていただきました。

また、年末には28年度の畜産物価格決定もありました。これはルールに従うということでありまして、補給金単価については若干の引下げになった訳ですが関連対策を措置することにより実質的に補給金単価は今年度に比べて引き上げという形となりました。川村会長のお話にありました基盤強化ということで都府県酪農が一番困っている乳用牛の確保の対策についても、北海道から導入されたときの優良なものへの奨励金みたいなものを新たに創設させていただきました。

同じく年末に決定いたしました28年度の予算におきましても、やはり自給飼料基盤に立脚した足腰の強い酪農畜産を作っていくという飼料生産型酪農経営支援事業といったものを拡充して措置させていただくなど総額2700億円を上回る予算を組ませていただいております。私ども畜産部はこういった措置した支援対策を有効に活用して政策大綱が目標とするところを将来に亘り意欲をもった方が希望をもって経営に取り組めるようにしたいと考えております。

こういった支援措置が効果を発揮して所期の目的を達成するためには、やはり酪農乳業界の方々からのご協力、あるいはご意見を頂戴することが不可欠だということは論を待たないところでして、この場を拝借して恐縮ですが引き続きのご指導ご鞭撻ご支援ご協力をお願い申し上げます。

最後になりますが、2016年の酪農乳業界のますますのご発展とご隆盛、本日ご列席の皆様方のご健勝とご活躍を心より祈念申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。

【消費者庁 菅久審議官 挨拶】

消費者庁 菅久審議官 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては長年に亘り、公正取引規約に基づく表示の適正化にご努力いただきますとともに、消費者政策に対しますご理解とご支援を賜っておりますこと厚くお礼申し上げます。

消費者庁は平成21年に発足いたしまして6年数ヶ月ほど経ったところです。引き続き、消費者行政の舵取りとして消費者が主役となって安心して安全で豊かに暮らせることができる社会を実現するため、様々な課題に取り組んでいるところです。

これらの課題のうち食品の表示に関しましては食品表示法が昨年の4月から施行されまして、機能性表示食品制度を含む新たな食品表示制度の運用が開始されています。この新たな食品表示制度につきまして、一例挙げますとアレルゲン表示があります。これは平成32年3月末まで5年間の経過措置期間が設けられていますが、アレルゲン表示というのは生命進退にも係わる重要な事項でありますので、経過措置期間を待たずして速やかな対応が望まれているところです。

また、景品表示法につきましては平成26年に二度に渡り改正が行われております。これら一連の法改正により不当表示等の発生を防止するために必要な表示等の管理上の措置を講ずることとなったことに加えまして、不当表示に対する課徴金制度が導入されることとなっております。この課徴金制度というのは本年の4月1日から施行ということです。

このように不当表示に対する措置が強化されることにつきまして、ご心配されている事業者がいるかもしれませんが、ここにお集まりの皆様方は課徴金制度の導入については、さほど心配する必要はないかと思っております。課徴金が問題となるのは不当表示をしたときだけ、しかも措置命令の対象となるような不当表示をしたときだけということであります。

そもそも公正競争規約を遵守した表示をしていれば不当表示となることはありませんので、課徴金のことを心配することはないことになります。加えて万が一、結果的に不当表示となってしまったということがあったといたしましても事業者が講じるべき表示等の管理上の措置、これに関する指針が出ておりますが、これに沿った注意を実際に行っていれば相当の注意を怠ったものではないことが認められ課徴金の納付が命じられることはありません。

さらに、この指針にも書かれておりますが従来から景品表示法や公正競争規約を遵守するために必要な措置を講じている事業者の方々にとりましては、この改正、また、この指針によって新たに特段の措置を講じることが求められるものでもございません。
従いまして皆様におかれましては、これからもこれまでと同じように公正競争規約の円滑かつ適正な運用を最優先にご尽力いただくことが最も効果的、効率的な対応であると思っております。消費者庁といたしましても、公正取引協議会の活動を引き続き積極的に支援してまいります。

最後になりますが、皆様にとって本年が良い年となりますよう心よりお祈り申し上げ新年の挨拶とさせていただきます。