第4回定時社員総会・懇親会を開催

去る5月15日(金)、一般社団法人日本乳業協会の第4回定時社員総会・懇親会をホテルグランドパレスで開催いたしました。総会での会長挨拶と来賓祝辞を掲載いたします。

【社員総会 川村会長挨拶】

社員総会 川村会長挨拶

本日は大変お忙しい中、第4回定時社員総会にご出席をいただきまして誠にありがとうございます。また、会員の皆様には平素より当協会の事業運営にご支援、ご協力を賜りましておることを高い席からではありますが心より御礼を申し上げる次第でございます。総会に先立ちまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

昨今の取り組み、また来年度の取り組みにも少し触れさせていただきたいと思いますので、少しお時間を頂戴することになるかと思います。まず、平成26年度の酪農乳業界、また日本乳業協会の取り組みについて、まずもってお話をさせていただきたいと思います。

平成26年度の酪農乳業界は、生乳生産の減少、また生乳生産基盤の弱体化といった短期的にも中長期的な視点からも酪農乳業共通の極めて大きな課題が表面化した年であったと思います。短期的には、生乳生産の減少などにより乳製品需給が逼迫をいたしまして、当協会としてもユーザーや消費者の皆様に安定供給に資する輸入対応を国に対して強く求めてきたところでございます。

結果、国はバター1万トン、脱脂粉乳1万トンという過去最大規模の追加輸入を実施いたしました。しかしながら、追加輸入のタイミングの問題、また消費者の皆様の購買行動等によりまして、年末には家庭用バターの品薄がまたしても社会問題化するといった事態になりました。国の要請を受けて当協会でも、乳業各社に対してバターの更なる供給努力、また供給の見通しについて会員の皆様から事情を伺って国に報告するといった対応も行わせていただきました。関係する会員企業の皆様に対しては、このような対応に対してご協力をいただきましたこと改めて感謝を申し上げたいと思います。

国は、バターの供給不足という問題を今後回避すべく平成27年の乳製品のカレント輸入を前倒しで発表すると共に、バターの輸入について輸入判断時期の明確化など様々な運用改善を明らかにいたしました。

当協会としても需給検討委員会における独自の需給予測、また今回の国の運用改善を踏まえて、昨年末のような事態を何としても再び繰り返さないように、今後も国と一層の緊密な連携をとってこの問題に対しても対処してまいりたいと考えているところでございます。

また、平成26年度には10年後の酪農畜産の目標と、その目標実現のための政策を定めた酪肉近代化基本方針の策定が行われました。5年に一度の見直しの審議ということでございました。昨年の2月より、食料農業農村政策審議会・畜産部会の中で、その審議が行われたわけであります。本年3月に基本方針が決定したところは皆様もご案内のところだと思います。

畜産部会における検討過程の中でも、生乳の増産、また生乳生産基盤の強化といった課題が今の酪農界にとって大変喫緊の課題であり、また最重要の課題であるということが各委員の方からも繰り返し述べられ、非常に危機感の強い中で、大変熱心な審議が行われたと承知をしております。私も前任の中野前会長の後を受けて、昨年6月から畜産部会の臨時委員として参加させていただきました。乳業者の立場からしても、生乳生産基盤の強化に向けて、もう一段の支援を強く要請したところであります。

決定した基本方針は「地域の知恵の結集による畜産再興プラン」という副題がつけられており「人、牛、餌」と、こういう言い方をしておりましたが、飼料の視点から、その生産基盤を強化していこうという大変幅広い意欲的な内容になっていると承知をしております。

今後10年間を、次世代の日本の酪農の方向性を決める極めて重要な期間という風に位置づけており、生乳生産基盤強化につきましても幅広い観点から多くの政策が盛り込まれた内容になっていると感じております。

しかしながら、大切なのは、この個々の施策の善し悪しではないと私は思っております。いかにこの政策を繰り出しながら期待される効果を十分に上げていくことが、今回の酪肉近の中では強く要求されているのではないかなと思っております。畜産部会の中でも、私も繰り返し意見を述べさせていただいたのは、基本方針等々の施策の中身も合わせて、今の5年に1回の見直しというタイミングだけではなく施策自体が実績を上げているかどうかを常に短いスパンで成果を検証して、その検証結果によっては追加施策を実施する、あるいは施策の変更も行うという柔軟な対応を行なって、やはり何としても現状から変えるという方向性、シグナルを生産者の皆さんに出していくことが重要ではないかと感じた次第でございます。乳業者の立場からも毎年の畜産部会、その他の機会を通じて、本件について今後もしっかり意見を申し述べていく必要があると感じている次第でございます。

少し観点を変えまして、食品の品質に関わる事項につきましては、食品メーカーにとっても極めて重要な課題である食品表示について、大きな政策的な転換がございました。新たな食品表示法の施行ということでございます。この施行に向けて、国の検討審議という大きな動きが26年度の中で行われたということであります。

食品表示基準、食品の新たな機能性食品表示の制度等が新に設定されたわけでもありますけれども、こうした内容に対してもパブリックコメント等を通じて当協会として会員意見をとりまとめ、消費者にとってより分かりやすい表示の実現という新しい法律の主旨を踏まえながら、事業者負担の大きさ、あるいは実現性、また、詳細なガイドラインでの明示等々の観点から、種々意見を申し述べてきたところでございます。

今年4月に交付されます食品表示基準の中で、牛乳乳製品に関する重要事項については、製造者、固有記号の使用に関わるルールの改善、また、栄養成分表示の義務化、また、新たな機能性表示の創設などでありますけれども、経過期間は加工食品については5年と定められております。一見長い猶予期間があるように見えるわけでありますけれども、そういった意味ではこの5年という期間はある意味ではとても短い期間とも見えなくもないと思います。当協会としては、新たな表示基準について会員の皆さんへの理解浸透を図り、また、公正競争規約が設定されていないクリーム、バター、脱脂粉乳などについて新たなガイドラインを早期に策定し取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

続きまして、平成27年度の取り組みに関しましても少しご紹介したいと思います。その前に、平成27年度の酪農乳業界は、4月から昨年1月に決まりました生乳価格、ほぼ全ての用途に対して生乳価格がアップするという今まで酪農乳業界の中でもあまり例のなかったことではないかと思っておりますが、この生乳価格アップをいかにして、小売価格あるいは私どもの納入価格に反映をしていくかという取り組みを今、行なっている真っ最中でございます。今後、各社の交渉努力によって、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、ほぼ全ての製品にわたって、納入価格、小売価格の全面的な改定をいかに実現するかという、大変大きな課題をいきなり抱える形で 27年度はスタートしております。加えて、小売価格の上昇による消費減少を最小限にとどめるために、酪農乳業界をあげて今の酪農乳業の状況に対する社会の理解情勢、あるいは牛乳乳製品の価値を上げる取り組みといったことについても、一段と力を入れていかなければならないということではないかと思っております。

また、前年度からの継続課題としての、乳製品の需給逼迫への対応、先ほど申し上げました新たな食品表示制度への対応、HACCP基準の導入促進、また環境関連では容器包装リサイクル法の見直し等への対応、さらにはTPP交渉、今少し交渉が行き詰っておりますけれども、このTPP交渉が合意した場合の対応等、当協会として取り組むべき課題というのは、昨年にも増して目白押しだと考えている次第であります。

こうした乳業界にとって厳しい課題がある年だからこそ、会員の皆様の声や意見にいっそう耳を傾けて、当協会としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えている次第でございます。

平成27年度における重要課題は、乳業経営の礎作り、また、乳業共通課題の解決という当協会の基本スタンスを踏まえて、前年度に引き続き、1点目として品質・安全性向上による消費者の安心・信頼の確保、2点目として牛乳・乳製品の普及啓発と需給の均衡、3点目として国際化進展への対応、4点目として環境リサイクル対策の推進、5点目として乳業事業の改善と合理化の推進、以上5項目を基本取り組みということで、取り組んでまいりたいと考えている次第であります。

個々の事業内容につきまして、会員の立場に立って費用対効果、労力対効果をより踏まえた取り組みを実践してまいりたいと考えている次第であります。また、酪農乳業の他団体との協力・連携、また、機能分担の一層の推進といったことにも意を払って参りたいと感じております。詳細につきましては、後ほどの報告事項として、27年度の取り組みの概要をご説明させていただきたいと考えております。

このほか本日は、平成27年度の事業計画と収支予算のご報告並びに平成26年度の事業報告と決算、今年度の会費徴収等についてご審議をいただくことになっております。慎重かつ円滑な議事進行に何卒ご協力のほどをお願い申し上げまして、冒頭の私の挨拶とさせていただきます。

【農林水産省 森牛乳乳製品課課長挨拶】

農林水産省 森牛乳乳製品課課長挨拶

皆様方には、日頃から我が国の酪農乳業の発展のために大変ご尽力賜っておりますこと、厚く御礼を申し上げます。本日は、日本乳業協会の総会ということで一言ご挨拶をさせていただきます。

これまでの議事の中で役員の交代の話もあったと伺いまして、ご退任されます中野副会長様、また山田監事様に置かれましては、大変これまでご活躍をいただきましたことに、御礼、感謝を申し上げたいと思います。お疲れさまでございました。

また、新にご新任されました西尾副会長様、岸上監事様におかれましては、これまでも業界の中でそれぞれご活躍されてきた方と承知しておりますけれども、今後、一段高いポジションにて益々ご尽力を賜ることをお願いしたいと思っております。

さて、せっかくの機会をいただきましたので、最近の情勢について幾つかお話をさせていただきたいと思います。新しく出ましたデータによりますと26年度の生乳生産量は、対前年比のマイナス1.6%、733万トンあまりということになり、2年連続の減少ということに残念ながらなっております。年度の後半以降は減少幅が少しずつ縮小しておりますけれども、特に都府県では依然として前年を下回って推移しているというところが多くなっており、引き続きタイトな需給状況が続くということを見込んでございます。

こうした状況を踏まえながら、私どもとしましても畜産クラスター事業を初めとして、生産基盤強化のための対策に力を今入れているところですが、それはさておきながらも、当面の需給安定をきちんと図っていく必要がございます。

このため、27年度のカレントアクセスの輸入につきましては、先般1月にまた2800トン、脱脂粉乳1万トンを輸入するということを決定すると共に、これに合わせて国家貿易によるバターの輸入方法の改善ということを決定いたしてございます。

この新しい方針に基づきまして、今年度は5月と9月に追加輸入の判断を行なうということを予めアナウンスをさせていただきました。この方針に沿って、いま関係者の皆様の様々なご意見を伺いながら、検討いたしているところでございまして、今月中に追加輸入の要否や量を判断して参りたいと考えてございます。とにかくこの問題につきましては、今年は昨年起きたような事態を再び起こしてはならないと思ってございます。そのために国といたしましても、最大限のできることをやっていきたいと考えてございます。乳業界の皆様とも思いを1つにして、共にこの問題、バター不足の問題について、一緒になって乗り越えていきたいと思っておりますので、ご協力をお願いいたしたいと思います。

またこれに関しまして、4月には乳業各社におきまして飲用牛乳や乳製品の販売価格の引き上げということが行なわれてございます。現在、その販売価格の動向でありますとか、また需要への影響など注視いたしているところでございます。こういったところも踏まえながら、適切な決定をして参りたいと考えてございます。

2つ目の話題といたしまして、新しい酪肉近代化基本方針についてご紹介させていただきたいと思います。こうしたタイトな需給状況ということも背景に、今年の3月の末に酪農生産基盤の強化や繁殖メス牛の増頭、また飼料の増産といったことを重点課題といたしました新しい酪肉近代化基本方針を策定いたしたところでございます。

平成37年度の生乳生産努力目標は750万トンと置きまして、この早期達成に向けて関係者で努力していこうという目標でございます。現在、この目標を具体化していくために各都道府県におきまして、更なる具体的な目標設定でありますとか、関係者が一体となった取り組みの方向性みたいなことを議論いたしていただいておりまして、現在各地でブロック会議を順次開催をいたしながら、この基本方針の周知と各地域における取り組みの推進を進めようといたしているところでございます。

私どもとしまして、今後ともこの方針に沿いまして畜産クラスター事業など酪農生産基盤の強化対策を継続的に推進していくということをやって参りますし、本年4月の取引乳価の引き上げによります生産者の方々の増産意欲の向上や酪農経営安定対策の適切な運用といった、こういったところを通じまして、生産基盤を強化いたしまして本年度が生乳生産回復の年になるように全力を尽くして参りたいと考えてございます。

最後にもう一点、最近の動きといたしまして、台湾の輸入規制の強化についてちょっとご紹介をしたいと思います。先月、台湾政府がアナウンスをしましたが、日本産食品について日本から輸入される日本産食品についての産地の表示偽装があったということでございます。それを理由といたしまして、輸入規制を強化するということを発表されておられます。本日、この5月15日から実施するということになっておりまして、これは従前からそうですが、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県からの輸入停止というのを継続することに加えまして、今回新たに当該5県以外の全ての食品について、産地証明書の添付を義務付けるということ、そして一部の品目、特に乳製品等が含まれているのですが、宮城、埼玉、東京の3都県で製造されました乳製品等について、放射線物質の検査証明書の義務付けが行なわれるということになってございます。

政府といたしまして、今般の台湾による規制強化というのは到底受け入れられないものと考えてございまして、引き続き、この規制の撤廃緩和について強く働きかけていく考えでございます。一方で、関係事業者の方々によります輸出に支障が生じないような対応ということも必要と考えてございまして、既に広く用いられている産地証明や検査証明の仕組みを活用していくということについて、皆様方にも情報提供を行なっていく考えでございます。

以上いくつか、最近の情勢をお話させていただきましたけれども、今後とも、この酪農乳業界、非常に国民生活において重要な分野でございます。皆様方のご協力をいただきながら頑張って参りたいと思います。

本日ご出席の皆様方のますますのご健勝、ご発展を祈念いたしまして、ご挨拶に代えさせていただきます。

【厚生労働省 滝本監視安全課長挨拶】

厚生労働省 滝本監視安全課長挨拶

本日はお招きをいただきまして、誠にありがとうございます。また、第4回定時社員総会が無事終了いたしましたこと、誠におめでとうございます。

まず、本日ご参会の日本乳業協会会員の皆様方におかれましては、日頃から食品安全行政の推進につきまして、深いご理解、ご協力をいただいておりますことを、まずもってこの場をお借りして、感謝を申し上げると共に、会員各位の皆様方が、乳・乳製品の衛生及び品質の向上に精力的に取り組み、わが国の乳業界の発展に寄与されておりますことに心から敬意を表したいと思います。

私の方からも、最近の食品安全行政の動きにつきまして、何点かご紹介をさせていただきます。

まずは、HACCPについてでございます。食品の安全性を確保する手法といたしましてHACCPによる衛生管理手法がコーデックスで提唱されまして、我が国でその考え方を総合衛生管理製造過程という形で導入をいたしましたのが、ちょうど今から20年前の1995年のことでございました。以来、乳業界におかれましては率先して、その導入にご尽力をいただきましたけれども中小企業が大層を占めます食品業界全体を見ますと、なかなかその普及が進んでいないということも現実でございます。一方、国際的にはHACCPによる衛生管理手法はもはや国際標準として欧米諸国においてその義務的導入が進められているところでございます。

このため厚生労働省といたしましては、将来的なHACCPの義務化も視野に入れながら食品衛生法に基づく食品の取り扱いの基準でございます、管理運営基準につきましてHACCP導入型の基準を追加的に導入すべく、自治体に示すガイドラインを昨年改正いたしまして、多くの自治体ですでに昨年度中に県議会での条例改正が済まされ、この4月から施行されているところでございます。

監視安全課内におきましても、新たな組織といたしましてHACCP企画推進室という室をこの1月から立ち上げたところでございます。HACCPの普及促進にかかる様々な活動を開始したところでございます。是非とも皆様方におかれましても、従来型の衛生管理から脱却し積極的にHACCPの導入についてもご検討いただければと考えておる次第でございます。

次に、食品衛生法乳等省令に基づきます規格基準の改正の動きでございます。近年の家畜改良の効果、あるいは製造技術の発展、製品の多様化等により現在の乳等省令に基づく成分規格に実態との乖離が生じてきたということも受け、昨年12月に乳等の比重・酸度等の成分規格を改正致しました。

また、乳製品、あるいは食肉加工品などの調理済みで長期間低温保存する食品の食中毒の原因となりますリステリアにつきましても、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果を踏まえまして、生ハムやナチュラルチーズにつきまして成分規格として、国際的に認定をされているグラムあたり100個以下という規格を設定したところでございます。これら規格基準の検討に際しましては、貴協会からも貴重なご意見をいただいたところでございます。今後とも引き続き基準の周知を宜しくお願いしたいと思います。

厚生労働省といたしましては、HACCPの普及促進、各種規格基準の整備などを進めるなど、今後とも乳・乳製品を初めとする食品の安全確保行政の推進に力を注いで参りますが、乳業協会各位におかれましても消費者に安全で良質な乳・乳製品を提供し続けていただくよう、日頃の品質管理の徹底を宜しくお願いいたします。

最後になりますが、日本乳業協会の一層のご発展と本日ご出席の皆様方の今後ますますのご活躍、ご健勝を記念いたしまして私の挨拶とさせていただきます。

【当協会役員交代のお知らせ】

新任 退任
西尾啓治 副会長 中野吉晴 副会長
岸上克彦 監事 山田藤男 監事