平成26年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催

一般社団法人日本乳業協会をはじめ乳業13団体は1月7日(火)にホテルグランドパレス(東京飯田橋)で平成26年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催し、乳業13団体会員のほか賛助会員、関係官庁、酪農関係者など約1,100人が参集し、新年の祝賀と乳業界の発展を誓いました。
主催者を代表し一般社団法人日本乳業協会中野吉晴会長が挨拶し、次いで来賓の方々より祝辞をいただきましたので、以下に掲載いたします。

【一般社団法人日本乳業協会 中野会長 挨拶】

一般社団法人日本乳業協会 中野会長 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
2014年の新春を迎え、乳業関連13団体を代表いたしましてご挨拶申し上げます。
本日は公務ご多忙の中、厚生労働省からは新村食品安全部長様、農林水産省からは原田畜産部長様、消費者庁からは菅久審議官様、内閣府食品安全委員会からは姫田事務局長様をはじめといたしまして、行政、関係団体等、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます。

昨年は、アベノミクスにより日本経済を成長路線へと移行させるスタートの年であり、脱デフレに向け物価上昇率2%を目標とする金融緩和が行われ、また、民間投資やイノベーションの促進、攻めの農林水産業などの方針が掲げられました。
業種ごとの業況には、ばらつきがあり、脱デフレも道半ばではありますが、消費者物価指数が上昇に転じると共に、GDPは4四半期連続でプラス、日本経済は上向いて来ていると言われています。
今年は4月より消費税増税が行われますが、成長戦略が着実に実行され、新しい年は景気回復とその持続が確実なものとなるよう大いに期待するところであります。

酪農乳業界に目を向けますと、日本経済再生への過渡的な影響として、円安、配合飼料価格や原材料価格の高騰など、マイナス影響が色濃く出て来ているのが実態であります。酪農乳業界が、景気回復効果を実感するには、今しばらく時間がかかると思われます。攻めの農林水産業に基づく積極的な目標が掲げられ諸策が講じられていますが、昨年の酪農乳業重大ニュースでは、“円安によるコスト増”や“TPP交渉への参加”、“9年ぶりの増産から一転して減産の見通し”との項目が上位を占め、酪農家戸数は2万戸を下回るなど酪農基盤の弱体化に歯止めがかかっていないことも懸念されております。
こうした状況を踏まえ、昨年10月には、飲用乳価の値上げと牛乳販売価格の改定が行われました。また、昨年末には強い農業、攻めの農業への転換や酪農乳業産業の成長実現に向け補給金単価や関連諸対策も示され、平成26年度の予算案も閣議決定されました。

一方、需要は酪農乳業に携わる全ての皆様のご努力により、はっ酵乳やチーズの消費が好調を持続し、今年度はアイスクリームの販売額も過去最高が視野に入ってきているとお聞きしています。価格改定しました牛乳の消費量も大きく落ち込むことなく推移しておりますが、改定価格が定着するように注視していく必要があると思っております。バターや脱脂粉乳の需給は、今年も需要が供給を上回ると予想されており、カレントアクセスの適切な対応に向け、行政の皆様と密に連携をとって参りたいと思います。
いずれにしましても、生乳生産基盤の回復が最も大切であり、これまで以上に中長期的な視点に基づく取り組みが求められていると思っております。

昨年横浜で開催されましたワールド・デイリー・サミットは、海野国際酪農連盟国内委員会会長を始めとする酪農・乳業界関係者皆様のご尽力により、成功裡に終了いたしました。改めまして御礼を申し上げます。
サミットにおいては、世界の人口増加や新興国の経済成長を背景とし、乳製品の安定調達や価格に対する懸念が示されました。同時に、酪農乳業の持続的発展のためには世界の各々の地域で多様な酪農乳業のあり方が求められていると感じました。また、日本の酪農乳業が抱える課題は、世界の多くの国々に共通する問題であるとも認識しました。世界の酪農乳業の潮流・動向も踏まえた中で、日本の酪農乳業の持続的成長に向け今こそ関係者が英知を結集して、我々自身の手で課題を克服していく必要があると強く感じております。

このような国内外の環境を踏まえ、TPP交渉に関しては、日本乳業協会は、「経済連携と農業・農村振興の両立」や「食料自給率の向上」そして「食料の安定確保」の重要性を発信して参りました。行政の皆様には、引続き、生乳生産基盤を損なうことが無いよう慎重に対応して頂きますようお願い申し上げます。合わせて、今年は「食料・農業・農村基本計画」や「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(通称酪肉近)に関する見直しが行われます。国内の食糧生産基盤を維持・確保する観点からも、酪農生産者も乳業者も将来の展望が描けるような方針作成を是非ともお願いするところであります。

私ども乳業関連の13団体は、連携を図りながら環境変化への対応を進めなければなりません。酪農乳業の持続的成長に向けては、生乳生産基盤の回復はもちろんですが、安全・安心に関する消費者の皆さまの信頼確保とその維持・向上が不可欠です。ポジティブリスト対応や生乳検査精度の向上に取り組むと共に、HACCP講習会等、衛生管理を支える人材の育成支援に継続して取り組んで参ります。また、影響の大きい新食品表示制度の施行に向けては消費者と事業者の双方が理解しやすく有益な表示基準等になるよう、意見を申し上げて参りたいと考えております。
その他、普及啓発活動については、消費を支え、学乳制度の維持にもつながるよう関係団体が連携し、相乗効果を意識した具体的な取り組みを行なって参りたいと考えています。
更に、環境については、各団体が環境に配慮した取り組みを目指していく必要があります。特に、容器包装リサイクル法の見直しでは、事業者の過大な負担につながらないよう、現行の枠組維持を要望するとともに牛乳パック回収率50%以上の達成など各団体の主体的な取り組みが求められていると認識しております。

さて、昨年は東京オリンピック招致の決定や日本食の世界無形文化遺産登録が実現し、一年を表す漢字は“輪”となりました。酪農乳業界は課題も山積しておりますが、未来に向けての課題は共有化されたのではないでしょうか。

今年の干支は“午”であります。馬の視野は350度に及び、動くものに敏感に反応する動物とお聞きしています。酪農乳業界も心を一つに、350度と言わず360度の広い視野を持ち、変化に迅速に対応することにより確かな成長ベクトルに転じる希望の1歩を踏み出せるものと確信いたします。

結びに当りまして、本日、ご臨席を賜りました、行政、関係団体の皆様のご指導ご鞭撻、そして酪農乳業にかかわる全ての皆様のご支援とご協力をお願いするとともに、酪農乳業界の益々の発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

【厚生労働省医薬食品局 新村食品安全部長 挨拶】

厚生労働省医薬食品局 新村食品安全部長 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
一言ご挨拶申し上げます。本日この賀詞交歓会が盛大に行われていること、心からお祝い申し上げます。
皆様方におかれましては、日頃より牛乳や乳製品の衛生管理を適切に実施し、消費者の皆様へ安全で良質な製品の安定供給にご尽力いただいておりますことに、深く敬意を表しますとともに、牛乳等安全性確保に向けた取り組みにご理解とご協力をいただいていることに厚く御礼申し上げます。

ご承知のとおり昨今の健康意識の高まりを背景として食品の安全に対する国民の関心は日増しに高まっております。その一方で、近年の食品流通のグローバル化や多様化により食中毒事件は広域化、大規模化する傾向にございます。幸いにして近年、乳業におきましては大規模食中毒事件等は発生しておりませんが、食品関連事業者の皆様や行政に対して食品の安全確保に関する一層の取り組みが強く求められているところでございます。

厚生労働省といたしましては、これまで科学的知見に基づき様々な課題に取り組んできたところですが、本年も国民の皆様の健康を守るため関係行政機関と連携しながら食品の安全を確保すべく施策に取り組んでいく所存です。
特に、食品製造の衛生管理を行ううえでは、原材料から製品までの工程管理による衛生確保が不可欠であり、コーデックスにおきましてもHACCPに基づく衛生管理が推奨されております。

近年では諸外国においてもHACCPの普及が急速に進んでおり、国内においても昨年9月にHACCP普及の検討会を立ち上げ、有識者の皆様にもご参加いただき議論を行っているところです。
皆様方におかれましては、HACCPによる衛生管理を積極的に導入いただいているところですが、引き続き、品質の確保や食中毒発生防止に一層ご尽力いただきますようお願い申し上げます。

最後に、本日お集まりの皆様方の今後ますますのご活躍とご健勝を祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

【農林水産省生産局 原田畜産部長 挨拶】

農林水産省生産局 原田畜産部長 挨拶

あけましておめでとうございます。
乳業のこの賀詞交歓会が、いつも最初の賀詞交歓会となります。本当に大勢の皆様がお集まりになっており、乳業関係者のパワーを実感する賀詞交歓会になっています。昨年は、年末に26年度予算、補正予算、それと畜産物の価格関係、関連対策を決めることができ年内に、次年度の基本的枠組みを作ることができたと思っています。

特に今回は、チーズにつきまして、加工原料乳制度の枠組みの中に位置づけるということで、安定的なチーズ向け生乳の生産をしていただく、あるいは、乳業の皆様にもチーズを安定的に製造いただくという一つの道筋ができたと思っています。先程、中野会長からも話がありましたカレントアクセスにつきましても、年内にお話をさせていただき1月には入札ということで、国家貿易につきましても皆様がお困りにならないように安定的な運用をしていきたいと思います。

そういった中で、生乳生産基盤がかなり弱っており、私も現場を回ってみますと搾れる環境ですが搾れないという話を聞きます。これは正直申しまして、酪農家の方々だけで解決はできないのではないかと思っています。26年度の予算の中でも、畜産クラスターという概念をいれましたが、この予算自体はソフトの予算ですので額は大きくないのですが、ここで目指しているのは各地域で酪農家、農協、市町村、また、乳業メーカーや飼料メーカーなど、いろいろな方に入っていただいて生産基盤をしっかり作り直そうという試みをしたいと思っています。現場や県や市町村も実際の補助事業の組み立てやプラン立案がなかなか難しくなってきており、行政サイドも民間の力を借りながらしっかりした生産基盤を築き上げることを進めていきたい。特に、酪農につきましては、それをやっていかないと国際競争が高まっている中で、せっかく求めがあるのに応じることができない状況に陥っていますので、私達もしっかりやっていきたいと思っています。
年内に畜産物価格や関連対策が決まったということは、1月から各県や団体に対して事業の内容を説明しながら予算が成立後、直ぐに実行できるよう要領を作成して、また、公募もしながら作業を進めていきたいと思っていますので、是非とも皆様にご協力いただきたいと思います。

昨年は、ワールド・デイリー・サミットがありました。私も参加させていただきましたが、同時に開催しましたジャパンミルクコレクションや国産ナチュラルチーズコンテスト表彰式と合わせて、酪農乳製品の奥深さ、幅の広さ、そうでありながらいつも新しい話題を提供できる新鮮さ、科学的な深さを感じています。できれば、ワールド・デイリー・サミットの成果も噛み砕いて今年度の皆様方のいろいろなご活動に反映させていただきたいと思います。

二点ほど昨年の経験でお話しします。一点目は、昨年秋に福島県相馬市の小学校で全国地域交流牧場連絡協議会の出前授業があり、全校生徒100人のところに私も出席し子供達と一緒に酪農家の方々の授業を受け、子牛から乳搾り、最後にバターづくりを子供達と一緒にやりました。原発事故の影響を受けて外で遊べないなど、いろいろなご苦労をされた先生方、保護者の方々、子供達なのですが、その時は校庭や体育館で様々な体験をしていただきました。全国の酪農家が来てくれ、特に東北でご苦労された酪農家もおり、中には一度避難されて、またミネロ牧場という形で始めていただいた福島の酪農家の方々も自分達の経験を踏まえて、子供達に語りかけて実践していました。本当に子供達は喜んでいて、目が輝いているのを見てワンダーランドという言葉を思いだしました。
年末に個人的な集まりで呼びかけをし、チーズとワインのシンポジウムというか集会をしました。風土が醸す日本のチーズとワインという日本産チーズとワインについて、昼間はシンポジウム(300名程度)、夜は試食・試飲会(100名程度)をしました。今度は大人ですが沢山の方が集まってくれて、日本のワインを楽しんでいただき、各地域のチーズを楽しんでいただいて、はっ酵乳製品の奥深さを楽しんでいただきました。そうした集まりを通じて思いましたのは、やはり酪農乳製品というのはワンダーランド、いつも風土が醸しだした古さの中に大変良いものがある。また、新しいものにも良いものがある。日本語で言うとびっくり箱とでもいったほうがいいかもしれませんが、そういった可能性が満ちている分野だと思います。

この一年も、乳製品の中でそういった新しいもの、古いものの中で、まだ消費者の方や国民の方々が十分お解りになっていないものが、いっぱいあると思います。こうしたものを引き出しながら消費の拡大、乳製品の価値に見合った価格を形成いただき、消費増税にも負けずに消費の定着、拡大を図っていきたいと思います。その為には、今日お集まりの皆様のご協力が必要ですし、私達も一緒になり酪農乳製品、業界のこの一年の発展に力をお貸ししたいと思います。

「午」の字は、縦の棒が少し長いと「牛」の字になります。12回の内2回位「牛」の年があってもいいのではないかと思っていますが、今年も発展の年となるよう祈念しています。是非とも皆様のお力で良い年にしましょう。

【消費者庁 菅久審議官 挨拶】

消費者庁 菅久審議官 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
このような盛大な会にお招きいただきまして、ありがとうございます。また、皆様におかれましては長年に亘り、表示の適正化にご努力いただきますとともに、消費者政策に対しますご理解とご支援を賜っておりますこと厚く御礼申し上げます。

消費者庁は平成21年9月に発足いたしまして5年目を迎えているところです。引き続き、消費者庁の使命、すなわち消費者行政の舵取りとして消費者が主役となって安心して安全で豊かに暮らせることができる社会を実現できる様々な課題に取り組んでいるところですが昨年、特に食品表示に関する大きな出来事が幾つかありました。

まず、昨年の通常国会では食品表示法が可決、成立いたしまして現在、公布の日から2年以内の施行を目指し表示基準の作成、そして栄養表示の義務化やその他の課題に関する検討を進めているところです。また、規制改革実施計画と日本最高戦略で閣議決定されました食品の新たな機能性表示制度におきましては昨年末から検討会を開催し、今年の夏を目途に報告書を取りまとめることとしています。
加えまして、昨年10月以来、ホテルや百貨店でのレストランのメニュー表示が大きな問題となりまして、11月と12月に総理官邸におきまして食品表示等問題関係府省庁等会議が開催され、今般の表示問題が生じた主な原因や背景といたしまして、事業者のコンプライアンス意識の欠如、企業統治、ガバナンスの問題、そして行政の監視指導体制の問題があったとの認識のもと、政府としての対策パッケージが決定されています。

この対策の一つとして、事業者自身による表示管理体制の強化や都道府県知事が措置命令を行えるようにするという行政の監視指導体制の強化を内容とする景品表示法の改正法案を次期の通常国会に提出するため作業を進めているところです。
事業者自身による表示管理体制の強化につきましては、既存の法律では、例えば会社法ですとか男女雇用機会均等法などで体制の整備などを規定しているものはあります。これらを参考にして検討を進めているところです。

今般の一連の問題についてですが、消費者が商品・サービスの選択の判断をする上で必要な情報が表示されていなかったために適切な商品・サービスを選択することができなかったということでは実はありません。例えば、エビとだけ書いてあれば問題なかったが、あえて「車」とか「芝」と付けて表示したので問題になったので、事業者が顧客を誘引するために任意に積極的に表示した内容が実際と異なっていたということで、一定事項の表示を義務付けることで解決するものではなく、表示の義務付けというのは今般の問題に適切に対応した解決策ではないと考えています。したがいまして、事業者が積極的に行う広告宣伝をも対象としまして、不当な表示を禁止している景品表示法によって対応することとしているものです。

このため、事業者の方々にとりましては、これまでと同じく不当な表示を行わないようにするための体制を整えておくということで、新たな表示義務が生じるわけではありません。特に、皆様方は長年にわたりまして、表示の適正化に向けて業界の自主ルールであります公正競争規約をいち早く策定し、また、規約違反に対する措置、規約の周知徹底、規約の見直しといった取り組みを行ってこられております。今回の景品表示法の改正につきましては、皆様方のように既に表示の適正化のための取り組みがなされている事業者の方々にとりましては、過大な負担を求められるものではありません。また、これまで取り組みに不十分な点があった事業者の方々にとりましては、よい機会になるものにしたいと考えています。

最後になりますが、本年が良い年となりますよう心よりお祈り申し上げ新年の挨拶とさせていただきます。