平成24年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催

一般社団法人日本乳業協会をはじめ乳業13団体は1月6日(金)にホテルグランドパレス(東京飯田橋)で平成24年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催し、乳業13団体会員のほか賛助会員、関係官庁、酪農関係者など約1,000人が参集し、新年の祝賀と乳業界の発展を誓いました。
主催者を代表し一般社団法人日本乳業協会古川紘一会長が挨拶し、次いで来賓の方々より祝辞をいただきましたので、以下に掲載いたします。

【一般社団法人日本乳業協会 古川会長 挨拶】

一般社団法人日本乳業協会 古川会長 挨拶

明けましておめでとうございます。
2012年の新春を迎え乳業関連13団体を代表いたしまして謹んでご挨拶申し上げます。まず、本日は公務ご多用の中、農林水産省からは姫田審議官、生産局の荒川畜産部長、厚生労働省からは医薬食品局の三浦食品安全部長、消費者庁からは神宮司審議官、内閣府食品安全委員会からは栗本事務局長をはじめ、関係団体、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜っていますことに、心より御礼申し上げる次第です。

昨年は3月11日の東日本大震災では多くの方々が亡くなられ、被災され避難生活を余儀なくされている方々が沢山いらっしゃいます。改めて、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと存じます。私は昨年12月に、福島、宮城、岩手を訪問し、多くの方々のお話を伺いました。厳しい環境の中で、多くの方々が復興に向けてそれぞれの役割を果たしている姿に接しまして感銘を受けた次第です。昨日の経済三団体の年賀会では野田総理から今年は復興の年にすると強い決意が示されております。是非とも一刻も早い復興と自立を願うものであります。

次に今回の震災で改めて感じた点について申し上げたいと存じます。
(1)乳業界は生乳から製品まで電力依存度が高いこと
(2)原材料のサプライチェーンが複雑に絡み合っていること
(3)そして多くの方にとって生活必需品である牛乳・乳製品の供給責任を担っているという3つの点について強く感じた次第です。
また、震災への対応に関係省庁の皆様から、多くのご指導とご支援をいただきました。さらに、本日ご出席いただいております賛助会員であるサプライヤーの皆様には、大変困難の中、懸命な供給努力をしていただき、早期の生産回復ができましたことに乳業界として御礼を申し上げる次第です。

そして、この震災は原子力発電所の事故を引き起こし放射性物質による自然環境汚染という問題が起きました。このことは特に、小さなお子様をお持ちのお母さん方にとって大きな不安を招き、私ども乳業会社にもお問い合わせが殺到した時期もございました。そこで安全性の確認でございますが、生産されている原料乳は各自治体で実施されているモニタリング検査において、安全性が確認された原料乳のみが出荷され我々乳業者が安全で安心頂ける商品を製造し、お届けしております。日本乳業協会として、ホームページ等を通じて正しい情報をお伝えし多くの生活者のご理解を得、そしてご安心いただけるよう引き続き情報の発信に努めてまいりたいと考えているところです。

先程、一部触れましたが震災によって乳業界の課題が改めて示されました。昨年の当協会の理事会で、農水省牛乳乳製品課の倉重課長から3つの課題の提起がございました。
(1)生乳から製品までの安全性の確保
(2)燃料調達が困難になったことや計画停電によって見えてきた乳業工場のエネルギー確保をどうするのか
(3)粉ミルク工場が首都圏に集中的に立地するなど、全国的な製品供給リスクへの対処としての工場立地、商品在庫・流通体制の問題等でございます。
将来、首都圏での大きな震災発生時へのリスク対応シナリオとしても必要な事柄でございます。この3課題について、日本乳業協会は農林水産省にご指導をいただきながら検討を進めてまいりました。いずれも難しい課題であり、まず問題点の洗い出しを行ない、昨年末までに中間の取りまとめを行なったところでございます。
短期的課題として、
(1)乳業工場の防災機能の強化、
(2)育児用調製粉乳の災害対応体制の制度化、
(3)生乳の安全性確保対策
中長期的課題として、
(1)乳業工場の再配置・補完体制の検討、
(2)トレーサビリティシステムの構築
などを挙げております。
本年度内には、対策案、役割分担、工程表などを具体化し、お示しできるよう努めてまいりたいと考えているところです。

次に、バターの需給につきましては、多くの生活者、需要者の皆様にご心配をお掛け致しました。日本乳業協会は毎月需給予測を行ない関係者に情報をお伝えし冷静な対応をお願いしました。農林水産省、農畜産業振興機構にお願いをしまして早め早めの放出アナウンスを行なっていただき、併せて追加輸入放出を適切に実施いただきました。乳業者も一致協力し市場対応した結果、大きな混乱もなく需要期を乗り越えることができました。関係者の冷静な対応の賜物と感謝しているところであります。

ところで、バター需給問題の背景に生乳需給がございます。本日ご出席されております専門誌の皆様が選ばれました昨年の乳業界の10大ニュースの中で、特に懸念いたしますのは6年連続生乳生産量が減少したことでございます。このとこは酪農乳業界の事業縮小を示すことにもなる訳でございます。生乳の取引価格は上がっておりますが、小売の店頭価格は価格改定前の水準に戻っております。現在、デフレは続いておりますが今後需要を挙げそれに見合った生産の確保が必要でございます。後ほど触れますTPPの行方にも影響をもたらす懸念がございます。行政、生産者、乳業者が力を合わせて、心を一つにして「オールジャパン」の下、「異体同心」により夫々立場は違っても思う心は同じだであるということで、今年を生産回復のきっかけとなる年として行きたいと願っている次第であります。

TPPにつきましては、日本乳業協会として情報が少ない中で、
(1)現在の食料自給率40%を考えると将来に食料供給面での不安があること
(2)仮に、乳製品工場の稼働に支障が生じた場合、雇用の確保や地域への懸念があること
(3)そして乳業者として、供給責任に不安があること
(4)生活者にとっての食品の安全性、信頼性確保に対する懸念があること
等々からTPP交渉参加には賛同できないことを表明したところでございます。しかしながら、我々はTPP交渉の行方の如何にかかわらず酪農乳業界として国際競争力を高め、内外価格差の縮小に努め更なる安全性を確保することが多くの生活者のためにも必要であると考える次第でございます。
来年、2013年10月28日から11月1日に横浜でワールドデーリーサミットが開催されます。酪農乳業界の総力を挙げて諸課題に取り組み、立派なサミットとなるよう目指して参りたいと思うところでございます。

最後に、牛乳パックの回収の問題に触れておきたいと存じます。2010年を目標年として50%の回収率を目指してまいりましたが、結果は43.6%にとどまりました。改めて2015年を目標年として回収率50%達成を目指すこととしております。日本乳業協会は、全国牛乳容器環境協議会(容環協)とともに日本チェーンストア協会をはじめ、関係先を訪問するなど働きかけを行なっておりますが、目標達成にはまだ程遠い現状にあります。そこでお願いでございますが「まず隗より始めよ」で、本日ご出席の皆様を先頭に行動をお願いできればと存じます。スーパー等の店頭回収ボックス、日本乳業協会や各乳業者の回収ボックスに率先して牛乳パックを入れていただきたく存じます。「洗って・開いて・乾かして」です。是非とも環境に貢献する酪農乳業界を目指し、回収率50%を達成をしたいと思うところでございます。

結びにあたりまして酪農乳業界の更なる発展と、本日ご出席の皆様のご健勝を祈念したしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

【農林水産省 荒川畜産部長 挨拶】

農林水産省 荒川畜産部長 挨拶

明けましておめでとうございます。
新年を迎えまして酪農乳業の皆様方にお会いできましたことを大変嬉しく思っております。本年がお集まりになられました皆様にとりまして輝かしい一年になることをお祈りする次第でございます。冒頭、古川会長より乳業界が抱える色々な課題があり、且つ、それに向かって前向きに取り組んでいかれる御姿を拝見したところでございます。本日主催の13団体の皆様と私ども力を合わせまして、我が国の酪農乳業行政が誤りなきように前に進んでまいりたいと思っているところでございます。私から3点お話をさせていただきます。

1つ目は東日本大震災、それから東京電力福島第一原子力発電所の事故関係でございます。私事になりますが、私は宮城県の角田というところの出身でございます。福島県との県境に近いところでありまして阿武隈川の川沿いにあります。年末も田舎に帰ってまいりました。まだまだ爪痕が残っておりますが被災地の農家の皆様方、酪農家の皆様方、復興に向けて大変ご尽力いただいているということを、あらためて目の当たりにいたしまして頭が下がる思いでございました。去年の3月11日から初期の間、酪農乳業界におかれましても大変な状況を経験なさった訳でございます。小売店の店頭から乳製品が消える、これは乳製品だけの問題ではなく、酪農乳業界が何か問題があったという訳ではございませんが、乳製品が無くなるというインパクトは大変大きかったと思っております。そういう中で関係の皆様方が一致結束されて、かなり早い段階で乳製品の品揃えというものが回復したところでございます。

また、生乳生産、酪農の現場におかれましては、一時出荷制限という不幸な事態もあったわけでございます。さらに、電力不足という事態に対処して生乳廃棄という残念な事態も行われた訳でございます。これらの事態をなんとか乗り越えて、皆様方が平常な姿に戻りつつある中で、我々行政としても前を向いてまいりたいと思います。

本年は東日本大震災、原発事故からの本格的な復旧・復興、さらにそれを乗り越えた前向きな対応というのが私どもに課せられていると思っております。そのためには、消費者の皆様に従来のように安心して国内の牛乳乳製品を消費していただくことが重要であります。また、生産現場の皆様方、乳業メーカーの皆様方の経営の安定、発展というものも同時に達成していかなくてはならない課題だと思っております。

特に国産の牛乳乳製品の安全性の確保につきましては、厚生労働省の協力をいただきながら、私どもとしましても生産現場あるいは乳業メーカーの皆様方とともに、出来るだけのことをしてきたつもりでございます。また、この取り組みを消費者の皆様方にしっかりとお伝えして安心していただくことが、消費の回復に向けた取り組みだと思っている次第です。この4月には新しい基準値が策定、施行される運びとなる訳です。大変厳しい基準値になるかと認識しております。酪農乳業の皆様方、これまでも一生懸命頑張ってきていただいておりますが、新たな基準値のクリアに向けてしっかり取り組んでいただきたいと思っております。

2つ目ですが、先程会長よりお話がありましたが、バターの問題でございます。先程申したとおり、3月11日以降暫くの間店頭から乳製品が無くなるという事態、これは酪農乳業だけの話ではなく、お米もパンも無くなりましたが、このバターの不足の事態は残念ながら酪農乳業界の大きな課題だと思っております。年が明けて4年前になりますが、前回の大変な混乱を引き起こしたことを受けて行政としても出来る限りの対応に努めてまいりましたが、根本的な対応といたしましては国内に需要があるのに国内の生産が追いつかない。それは酪農、生乳生産だけではなく、乳業の皆様方の商品生産選択の問題なのかもしれませんけれども、或いはそこに絡んできます指定生乳生産者団体の配乳の問題、色々な難しい問題があるかと思いますが、これに手をこまねいて同じことを繰り返しているだけでは消費者の皆様からの理解は得られないと思っております。国内需要を、代替の商品ですとか輸入品に置き換えられてしまうということでは、本日お集まりの皆様方の誰も得をしない事態であると認識しております。行政として何が出来るのか色々考えておりますが、酪農、乳業の安定という意味で先般の12月に決定しました予算決定の中でも出来る限りの努力をさせていただいたつもりです。目新しいものとしてはこういったバターの不足、そういったものにも活用していただけるような生産者の皆様方が主体的に需給調整に取り組んでいただけるような取り組みを後ろから支援していく新たな措置というものを導入させていただいたところでございます。24年度予算ですので4月以降になりますが、こういった支援も取り込んでいただいて生産現場の皆様につきましては色々と大変な状況だと思いますが、需要のあるわけですので出来るだけ搾っていただくことが大事だと思いますし、乳業メーカーの皆様方も消費者の需給に合わせた機動的な生産選択をやっていただけるようお願いする次第です。

最後の3つ目となりますが、会長からお話がありました高いレベルの経済連携やTPPなど、色々な国際貿易関係の議論が昨年は大変話題が盛り上がった訳です。経済連携で言えば日豪というものが現在進行形ですし、TPPはいま情報収集活動を、政府を挙げて取り組んでいるところです。交渉の結果などを予断するつもりはありませんが、やはりこの大きな問題についての意思決定については、きちんと情報収集をして影響ですとか課題ですとかそういったものを国民の皆様に共有していただいた上で、落ち着いて議論し決定していただくというプロセスが大事だと思っております。
農林水産省としましても一昨年になりますが、影響試算というものを公表させていただいておりますが、求めに応じて色々な情報を出して国民的な議論の糧になるように努力してまいりたいと思っております。

いずれにしましても、国内に1億2千万人の需要を持つ我が国でございます。何度も繰り返しとなって恐縮ですが、国内の需要が一定程度ある、そこに生産が追いついていかないというのは大変残念な事態でございます。私ども新鮮で安全な牛乳乳製品の需要というものは、どういう状況になっても必ず存在すると思っております。そういうものが国内で維持・発展できるように政策対応に誤りのないよう努めてまいりたいと思っておるところでございます。テーブルの上に各社、選りすぐりの牛乳が並んでおります。私ども残念ながら勤務中はお酒を飲んではいけないことになっておりますので、乾杯は恒例で牛乳だと思いますが、その後も各社取り揃えの牛乳を沢山いただいて消費拡大の一助となればと思っておりますので、宜しくお願いいたします。

最後になりますが、今年一年が皆様方にとって益々よい年となりますように、また、ご参集の皆様方のご健勝を祈念いたしまして新年の挨拶にかえさせていただきます。

【厚労省医薬食品局 三浦食品安全部長 挨拶】

厚労省医薬食品局 三浦食品安全部長 挨拶

恒例であればおめでとうございますだとか、良いお年を迎えのことと申し上げるところではありますが、何せ昨年の大震災や原発事故が非常に重く大きいことがございまして、何か手放しで喜べないないという気持ちを多くの方々が共有されているのではないかと思います。御身内あるいはお近しい方々で被害にあわれたという方も多いのではないかと思います。お正月からなんですが、お悔やみやお見舞いを申し上げたいと思います。

今日、こういう場にうかがいまして、食卓に牛乳や乳製品が並ぶまでに多くの関係者、もちろん現場でお仕事されている方を含めれば大変多くの方々が当たり前の事のように仕事をされて、普通どおりに牛乳や乳製品が食卓に並んでいるというようなことが私達の消費者の認識だったと思いますが、会長やご来賓のご挨拶をうかがっていても、これはまさにある意味、奇跡にも近いご努力だとあらためて思います。
震災発生時、実は私、農林水産省に席がございまして、むしろ供給の問題ですとか農林水産省の中での安全の確保だとかを担当していた訳ですが、生産、流通、消費と、これが一体となってどの様に安全・安心を形造っていくのか、これはここにおられる皆様方、それと私ども共通の課題であると思います。そういう意味で原発事故、特に暫定規制値の導入あるいはそれに基づくモニタリングの実施など、多くの皆様方の努力によって何とかここまでやってきたというのが現実ではないかと思います。

今、ご紹介がありましたとおり先般、暫定規制値を見直し新たな基準値を設定するということで厚生労働省としての基準値案というものが審議会において取り纏められたところでございます。今年の4月を目指して今後いろいろな手続きを進めていくことになります。これもご案内のとおり、一般食品については1kg当たり100ベクレルというのが基準値案となっておりますが、牛乳については、その半分の50ベクレルという数字でございます。これも報道等でされておりますが、子供さん達が一番採る食品については更に安全を見込もうということで新たな基準値案が設定されたところです。言い換えると、次の世代を担う子供達、その子達の健康や発達というものが牛乳によって支えられるということの裏返しでございまして、牛乳業界にとっては厳しいということもあろうかと思いますが、それだけの仕事を自分達はしているという誇りにもつながっていくことではないかと思います。次の世代を支える牛乳乳製品という意味では、私どもは皆様方に大いに期待したいと思っております。

それと同時に基準値というのは、安心・安全の中でも特に安全の部分についての大きな指標になる訳ですが、安心という分野で考えますと、それだけには留まらずに消費者の皆様が食品を安心して摂ることができるのか、ここにかかってくる訳でございます。これは数字がどうなるという事だけではなく、消費者の皆様が十分に情報を持って自ら選択し、あるいは考えることが出来る、そういった意味で先程のモニタリングの結果などについても役所として全て外にお示しし、見ていただけるような環境を作っている訳ですが、今後是非とも皆様方にお願いしたい事は、各社努力されているかと思いますので、その努力を外に向けてお示しいただく、こういう計測をしているというのであれば計測の結果で結構でございますし、各社なりの努力というものがあれば、それを各社、業界としても取り組んでいってもらうことが結果的に消費者の安心につながってくるのではないかと思います。

この2012年が消費者にとって安全で、且つ、安心できる牛乳乳製品を手にすることが出来る年だということで長く歴史に残るような年になれば幸いではないかと思います。この一年、終わってみて良い一年だったと言えるように私どもも努力してまいりたいと思いますし、皆様方におかれましても夫々のお立場からご努力いただきたいとお願い申しあげまして新年のご挨拶とさせていただきたいと思います。

この一年、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

【消費者庁 神宮司審議官 挨拶】

消費者庁 神宮司審議官 挨拶

新年あけましておめでとうございます。
乳業団体の皆様方、ご出席の各社各位におかれましては、日頃から消費者行政へのご協力を賜っていることにつきまして、この場をお借りし御礼申し上げたいと思います。私、今ご紹介にあずかりましたように消費者庁で審議官をしておりますけれども元々公正取引委員会の方の出身でございます。乳業団体の方々のこういう会合には私が非常に若い頃にご縁がございまして、まだ入って2年目の係員だった時に大変失礼ながら代理出席の代理出席の代理出席だったようでして、係員がいきなり壇上に上がり挨拶をするということをさせていただきました。それが四半世紀以上前のことということになりまして、それ以来でございましてこういった高いところからご挨拶をさせていただくということについて誠に恐悦至極でございます。

さて先程来、昨年の不幸な出来事に関連してご挨拶がありました。そのことにつきましては、関係者の方々が大変努力されてきたことについてあらためて敬意を表したいと思います。また、消費者庁としても震災対応に関して昨年、放射線測定機器の貸出、検査趣旨対応その他を含めた様々な取り組みをしてきたところでございます。震災につきましては先程、両部長からお話がありましたので重複を避ける形で消費者庁側として新年における課題として2点、それと乳業団体の方々に対するご期待という観点から1点お話をさせていただきます。

1点目は消費者庁には審議官が3名おり、私だけ後ろに「(執行担当)」が付いております。本来、私はそういう意味では法律の執行を行う、特に違反事件処理を担当することが担務なのですが、担当している法律自身についての企画立案には関わることにしております。その関係で私は広く表示の適正化を対象とする部分があります。この観点から消費者庁として本年最も重要な課題となっておりますのは、食品表示の一元化ということについての取り組みになります。昨年9月にすでに食品表示一元化検討会に有識者の方々にお集まりいただき、検討を開始しているところでございます。本年6月を目途に検討会の報告書の取り纏めをしていただきたい旨を座長以下検討会の方々にお願いをしているところです。この取り組みの目的としては、より多くの消費者の方々が実際に商品を選ぶ際に役に立つ分かり易い食品表示の実現ということでございますので、この目標に向けて着実に検討を進めていきたいと思っているところでございます。

2点目といたしましては、これはやはり執行担当としての本来の担務であるのところの不当な表示というものを排除し、違反行為を抑止することにつきるかと思います。現在まだ食品表示という事につきましては、乳業の方々には馴染みの深い食品衛生法、JAS法、景品表示法といった法律以外を含めて様々な表示に関する規制法が消費者庁に集合する形になっております。これらの様々な法律を執行レベルではすでに消費者庁に一元化している以上、一元的な執行をしなければなりません。その為には、ある被疑事案があった場合にどの法律を適用することが最も消費者の利益を確保する上で叶うものかを考え法律の選択と執行方針を決めていかないとなりません。これは消費者庁という行政官庁が出来たことにより初めて実現できるようになった執行形態となる訳ですけれども、しかしながら実はこれは大変困難なことでもあるということでございます。困難ではあるが重要な課題ということで、本年におきましても違反行為の排除に向けて所管表示法の厳正な執行というものに努めてまいりたいと考えております。

3点目といたしましては、消費者基本計画におきましても事業者団体による自主的な取り組みの促進というものは重要な施策として位置づけられておりまして、その意味では消費者行政において事業者団体が自主的に様々な取り組みをされることの活動の役割についての重要性を示しているかと思っております。しかしながら事業者団体における自主的な取り組みにつきましては、公共の利益に資するものになる為には構成事業者夫々の活動とは離れて事業者団体それ自体が新たな価値を創造しサービスを供給するという、そういった側面が必要になるかと思っております。ここは私見に属するものが含まれておりますが、消費者行政として事業者団体に期待される取り組みというのは構成事業者の事業活動の調整ということではなく、事業者団体の活動に新たな価値を創造していくということであり、例えば公共一般に対して紛争解決の手段を事業者団体が提供するといったことは社会一般のコストというものを低下させるという意味での社会公共一般に対するメリットがあるということでございます。そのような意味での団体の活動というものに重点を当てて乳業13団体が本年におかれましても消費者行政を含め社会公共一般に対してメリットのある活動をしていただくことに期待を込めて私の挨拶とさせていただきたいと思います。