平成23年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催

社団法人日本乳業協会をはじめ乳業13団体は1月6日(木)にホテルグランドパレス(東京飯田橋)で平成23年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催し、乳業13団体会員のほか賛助会員、関係官庁、酪農関係者など1,000人超が参集し、新年の祝賀と乳業界の発展を誓いました。
主催者を代表し社団法人日本乳業協会古川紘一会長が挨拶し、次いで来賓の方々より祝辞をいただきましたので、以下に掲載いたします。

【社団法人日本乳業協会 古川会長挨拶】

社団法人日本乳業協会 古川会長挨拶

新年おめでとうございます。
乳業界の新年賀詞交歓会に、このように多数の皆様方のご出席をいただき誠にありがとうございます。2011年を迎え乳業13団体を代表しまして年頭の挨拶を申し上げたいと存じます。なお、本日は公務ご多忙の中、厚生労働省から医薬食品局の梅田食品安全部長様、農林水産省からは生産局の佐藤畜産部長様、消費者庁からは原審議官様、内閣府食品安全委員会からは栗本事務局長様はじめ多くの来賓の皆様のご臨席を賜り、心より御礼申し上げます。あわせて行政当局をはじめとする関係者の皆様並びに会員の皆様には各団体に対しまして、多大なご支援ご指導を賜りましたこと厚く御礼申し上げます。
また、昨年実施されました事業仕分けや予算編成におかれましては、行政当局の皆様方には大変ご苦労され、またご尽力を賜りましたこと、誠に有難うございました。
この予算の中でチーズ向けの支援は国産生乳の消費拡大や生産基盤の安定化にもつながります。また、安全・安心な食品を求める消費動向に対する分野へも予算措置をいただきました。今後は、業界を挙げてその実現に邁進する所存です。

ところで昨年を振り返ってみますと、国内的には大変政治状況が厳しく、また、景気の低迷は長引いております。海外に目を向けますとヨーロッパ発の金融不安あるいは極東に於ける緊張関係等々、我々を取り巻く環境もめまぐるしく変化してまいりました。さらに業界を取り巻く環境については、昨年の春に宮崎で口蹄疫が発生し、強力なウイルスによる被害が拡大して29万頭を超す家畜が殺処分されるという大変な事態となりました。罹災されました農家の皆様、地域の皆様は現在も多くのご苦労をされていると伺っています。あらためてお見舞い申し上げる次第です。そして、防疫に携わった方々の懸命なご努力に対しましても敬意を表したいと存じます。こうした伝染病発生のリスクは今後も存在すると思います。宮崎の事例により防疫体制や発生後の危機管理体制の更なる整備をお願いする次第です。その後、口蹄疫は終息しまして、記録的な猛暑、我々乳業界にとってはありがたい猛暑を迎えました。その中で大きく売り上げを伸ばしたのは、乳業界の中ではアイスクリームに集中する結果となりました。飲用牛乳の消費拡大と結びつくのではないかと願っていましたが、減少幅は縮まったものの回復に至るまではいっていません。この猛暑は生乳生産現場に与えた影響も大変大きなものでした。乳牛が被ったダメージにより未だ生産回復まで至っておりません。酪農生産者の方々には未だ大変ご苦労されているとお聞きしています。是非とも早急な生産回復に結び付くよう、期待する所存です。

さて2011年を迎えましたが、新年の菅総理の年頭所感の中で平成の開国、TPPへの参加意欲が強く示され、農業改革あるいは農業再生ということが示されました。今後6月までに具体的な内容が明らかになってくると存じますが、我々としては今後の農業の競争力の向上あるいは食糧供給の安定化をどの様に図っていくのか、大きな議論を経て慎重な対応をお願いしたいと存じます。

我々乳業界は、昨年設定されました新しい「酪肉近代化基本方針」に示された乳業の合理化目標の達成に向けて今後も取り組んで参る所存です。また、今年、当面の目標として消費拡大、そして品質の維持向上といった目標に取り組んでいくわけですが、その消費拡大に今年大きな役割を果たすと期待されているのが、昨年Jミルクから発表されました「牛乳・乳製品を摂っている人はメタボリックシンドロームになる人が少ない」という研究結果です。牛乳を飲んでも太らない、ましてやメタボにはなりにくいということを出来るだけ多くの方々に判り易く浸透させていくことが、今年の我々の課題ではないかと考えている次第です。特に国民の多くの方々が健康に対する意識が非常に強い時代にあって、とりわけ関心の高いメタボリックシンドロームに対し、牛乳・乳製品に予防・改善効果があることを皆さんと共に多くの人に広めていきたいと存じます。

2013年10月横浜で開催されるワールド・デイリー・サミットに向けた準備委員会が昨年発足されました。その席で本日ご出席いただいております海野会長様は「これまでは乳業だけの片肺飛行となりがちだったが、今回は乳業と酪農の両方が入った体制で臨んでいる。是非とも2013年のサミットでは来訪者にご満足いただくと共に日本の酪農と乳業が一丸となる事を期待している」と述べられました。私も全く同感です。酪農乳業の力を結集して世界に誇れる開催を目指したいと思います。皆様方からも多大なご支援を賜りたいと存じます。
以上、縷々申し上げましたように大変大きな変化の時代にあるわけですが、我々乳業者がなすべきことはお客様に認められる品質で、そして効率的に商品を作り、しっかりと販売すること、これを確実に実行していくことだと思います。

一昨年になりますが、消費者の方々、そして流通業界の方々のご理解を賜りながら、関係者のご努力の下、かつてない価格の改訂を行ったわけでございます。このことにより生乳生産あるいは乳業事業の安定に貢献できたものと思います。しかしながら、その後デフレの影響等もあり、その水準は価格改定前に戻りつつあります。是非とも今年は消費者の皆様のご理解をいただき、適正な水準に戻す努力もあわせて行っていく年にしたいと存じます。

昨年来、ノーマルな時代からニューノーマルの時代に入ったと言われています。今年は卯年ですが、業界全体がウサギのように大きく飛び跳ねて、牛乳・乳製品の消費もニューノーマルとは言わずノーマルな時代に戻るように突き破っていく年としたいと存じます。その為にも本日ご臨席賜りました指導官庁の皆様はじめ、関係各位の絶大なるご支援とご協力をお願いする次第です。
最後になりますが、皆様方のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、念頭の挨拶とさせていただきます。

【厚労省医薬食品局 梅田食品安全部長挨拶】

厚労省医薬食品局 梅田食品安全部長挨拶

明けましておめでとうございます。
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。また、皆様方におかれましては、清々しく新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。年頭に当たり、本日お集まりの皆様方におかれましては、日頃からHACCP手法による高度な衛生管理手法の導入等を通じ消費者の皆様への安全で良質な牛乳及び乳製品等の安定供給にご尽力いただいており、あらためて深く敬意を表する次第です。
また、本日は乳業13団体合同の賀詞交歓会と伺っておりますが、各団体ともに専門的知識と技術を持ち合わせた特色ある団体であり、厚生労働省といたしましては様々なご助言を頂けるこのような団体が身近に存在するということを非常に心強く感じている所存です。
さて、先般、昨年の酪農乳業界重大ニュースとして一位はTPP問題、二位は大手乳業メーカーの事業再編、三位は10年ぶりに我が国で発生した口蹄疫問題との報道がなされました。
厚生労働省といたしましては、重大ニュースの五位として取り上げられておりました記録的な猛暑による食中毒の多発等を懸念しておりましたが、幸いにも牛乳及び乳製品を含め食品の衛生管理に関連した「安全性」を脅かす大事件は発生しておらず、食中毒による死者も平成21年に続きゼロとなっております。
これも一重に皆様方の日頃からの的確な衛生管理の賜であると考えております。ご承知のとおり食品の安全性に関しましては、食品流通のグローバル化や健康意識の高まりなどを背景として、国民の関心が日増しに高まっております。
厚生労働省といたしましては、従来から科学的知見に基づき、様々な課題に取り組んできたところであり、本年も引き続き国民の健康の保護を図るため、食品の安全を確保するべく様々な施策に取り組んでいくとともに消費者庁へ移管された表示をはじめとする乳関係の業務につきましても、関係機関と連携し円滑に実施して参ります。
また、牛乳及び乳製品の安全性確保につきましても、乳等省令の改正や総合衛生管理製造過程承認制度の普及・推進等に努めて参りますので、本日ご参加の皆様方におかれましてもHACCP手法を基本とした自主衛生管理手法の確実な実施により、本年においても引き続き牛乳及び乳製品等による食中毒等の発生防止にご尽力いただくようお願いいたします。

改めて申し上げるまでもありませんが、安全で良質な牛乳や乳製品を消費者の皆様にお届けいただくことは、乳・乳製品離れが進む消費者に対しその魅力を伝えていく上で最前提となるものであります。
皆様方におかれましては、衛生管理の徹底と品質の確保への取り組みなど、お一人お一人の意識向上と日頃からの取り組みに一層ご尽力いただきますよう、あらためてお願い申し上げます。
最後になりましたが、本日ご出席の皆様方の今後ますますのご活躍とご健勝を祈念いたしまして、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。

【農林水産省 佐藤畜産部長挨拶】

農林水産省 佐藤畜産部長挨拶

新年明けましておめでとうございます。
今日晴々しくこの賀詞交歓会が盛大に開かれましたことをお喜び申し上げる次第です。この賀詞交歓会にあたり新年のご挨拶とお礼とお願いを申し上げたいと思っております。酪農・畜産関係につきましては先程古川会長の方から非常に正確にお話いただいたものですから私は少し変わったことを申し上げたいと思います。

去年の酪農・畜産というのは災いの年でありました。口蹄疫や猛暑などの災いが多かった年でございます。口蹄疫に際しては皆様方の絶大なるご支援に基づきまして何とか宮崎県で食い止めることが出来ました。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。しかし、隣国の韓国における口蹄疫の発生が非常に気になっているところです。当省の消費安全部局を中心としまして色々な臨戦態勢をとっておりますが、このような席で申し上げるのは非常にはばかりあることではございますが、一旦何かありましたら絶大なるご協力を賜れればと思っているところでございます。

もう一つ厳しい試練となりましたのが古川会長の挨拶にもありましたが事業仕分けでございます。この事業仕分けは一昨年から行われておりまして、酪農・乳業関係の事業としましては、消費拡大や学乳事業について事業仕分けされたところでございます。また、松木政務官と田名部政務官にも出ていただいた訳ですが、なかなか学校給食用牛乳の意味というものが仕分け人の皆様にはご理解いただけなかったという反省があります。最低2割以上の予算要求の縮減という評価をいただいたところですが、学乳事業は私ども非常に大事だと思っています。昔から「災い転じて福となす」という言葉がありますが、事業仕分けを受けて、新しいメニュー、例えば低温殺菌牛乳あるいはヨーグルトあるいは幼稚園や保育園への仕向け、こういうものに対して新しい助成策といったものを講じることとしているところです。どうかこの学乳事業が事業仕分けの場においても、十分耐えられるよう皆様方の絶大なるご支援を賜りたいというのが私の二つ目のお願いです。

そして最後のお願いがチーズでございます。非常に今、国際問題でTPPやEPAなど横文字が多くなりましたが、やはりこうした国際情勢に打ち勝っていくためには、チーズについて強化し国内の需要だけでなく中国や東南アジアなど需要が見込める地域もあり、今年はこうしたものを梃子にしてしっかりと、先程話にありました反転の年にしたいと考えているところです。これも皆様方のご協力無くして出来ないことですので、そういった意味も含めましてどうか今年一年、去年の災いの年から福となるような年ということで反転の年としたいと思いますので、皆様方のご理解とご協力を賜りますようお願いします。
本日ご参集の皆様方の弥栄を祈念申し上げまして、簡単ではございますが新春のご挨拶にさせていただきます。

【消費者庁 原審議官挨拶】

消費者庁 原審議官挨拶

新年おめでとうございます。
このような良き日に皆様方にご参集いただき盛大な会が開かれたということでお祝いを申し上げたいと思います。皆様方におかれましては牛乳および乳製品につきまして安全確保と公正競争規約を通じた表示の適正化に永年ご尽力いただき大変感謝している次第です。また、今年は先程の会長のご挨拶のとおり兎年ということで、いわゆるジャンプ、発展の年ということでございますが、兎と亀の関係もありまして亀の心、つまりやるべきことを地道に着実にやっていくというものも大事にした上で飛び跳ねていただきたいと思っております。

消費者庁も昨年9月で発足後2年となり9月以降3年目に今年は入るということでホップ、ステップ、ジャンプの年にしたいと思っております。そういう観点から現在消費者庁としては色々なことに取り組んでおります。
一点目は、消費者事故に対し、製品、商品等の事故だけではなく食品の事故を含め、迅速かつ的確に対応するということです。
その為に二点目として、情報の共有化、情報の一元化ということで、全国いろいろな所で発生する消費者事故等々に対し、如何に効率よく一元的に情報を集約し、分析を行い適切に対応していくのかということが重要であり、いわゆるシステムネットワークや地方公共団体を含めての人的ネットワークというものを構築していくことが必要と考えております。
さらに三点目として消費者庁に移行されましたいろいろな法律があります。消費者安全法等の安全関係のもの、食品衛生法、JAS法、景品表示法等の表示関係のもの、特定商品取引法等の取引関係のもの等々でございますが、こうした消費者庁が所管しています法律に基づき、厳正に対処していくということでございます。厳正な対応の一つとして、例えば所管法の中には表示基準を定めたものがございますが、その表示基準を適時見直して適正な表示基準を作っていくことが必要かと思っております。

皆様方は国民の健康のために極めて重要な乳製品を扱っておられますが、私ども今年から具体的に検討を開始しております栄養表示の問題についても的確に対応していきたいと考えておる次第でございます。
一番重要なことは我々行政に従事する者であっても、皆様方事業者の方々であっても全てのものが一購入者、商品を買って生活している訳でございますので、一購入者としてどうなのかという視点で、いろいろなプロモーションなり商品開発なりを行っていく、また、私ども行政でもそういった観点で法律を運用していくことであろうと思います。そういった面でいわゆる購入者に立った視点を忘れないようにしていただきたいという意味で、先程申し上げました亀の心を大事にしていただくことが、今年ジャンプの年とする上で必要だと考えております。

最後に、地道な活動等々からいわゆる購入者からの信頼を得てはじめて経済の発展、国の発展、企業の発展があるということでございます。皆様方乳業業界におかれましては、今後も良質安全な牛乳及び乳製品の開発と適正な表示、適切な販売方法にご尽力されることをお願いいたしまして私の年始の挨拶とさせていただきます。