2. 乳製品の製造工場とは ~“牛の乳”が“乳製品”になるまで~

乳製品の製造工場とは~“牛の乳”が“乳製品”になるまで~

■乳業工場で行うこと

工場では乳製品の種類別にさまざまな工程が

乳業工場に集められた生乳にはまず、ホモジナイズ(均質化)と呼ばれる処理が行われます。これは、クリームの塊をなくすために脂肪球を細分化する作業。その後、殺菌や滅菌処理が行われます。ここでできるのがいわゆる「牛乳」です。牛乳の基本は「何も足さない、何も引かない」”成分無調整”です。生乳から水分を取り除いて濃厚にしたり、脂肪分などを取り除いた「成分調整牛乳」、生乳または乳製品を原料とする「加工乳」。コーヒーやフルーツの成分、鉄分やカルシウム分などを強化したものなど、乳製品以外のものを加えた「乳飲料」などです。さらに、生クリーム、チーズ、バターなど、その他の乳製品にするためにさまざまな加工が行われます。

乳製品の製造工場とは~“牛の乳”が“乳製品”になるまで~

■乳業工場の数と規模・処理量

生乳が牛乳・乳製品に変わる場所

生乳の処理・加工を行う乳業工場の数は、平成28年で全国で524工場あります。そのうち、飲用牛乳を主に製造する工場が368、乳製品を主に製造する工場が156です。また、生乳処理量規模別の割合を見ると、1日の処理量が2トン未満の工場が54%で、年々、工場処理能力の拡大、工場集約・合理化が行われてきているものの、小規模の工場も多く存在していることがわかります。
酪農王国北海道に注目してみると、1日に40トン以上処理する大規模工場と、1日の処理量2トン未満の小規模工場に2極化していることがわかります。

図8:1日あたり生乳処理量規模別の工場数と割合(平成28年12月)
図8:1日あたり生乳処理量規模別の工場数と割合(平成28年12月)
図9:地域別処理量規模別工場数と割合(平成28年12月)
図9:地域別処理量規模別工場数と割合(平成28年12月)

■製造と消費の動向 <牛乳の場合>

牛乳消費はやや減少傾向

飲用牛乳等(牛乳、加工乳・成分調整牛乳、乳飲料、発酵乳)の生産量は、平成28年度で前年対比99.7%となりました。牛乳の生産量は、平成28年度で前年比101.5%と若干増加しましたが長期的には減少傾向が続いていると言われています。加工乳・成分調整牛乳は98.3%、乳飲料は94.3%と減少傾向が見られます。発酵乳は、近年順調に生産量が増加しており、平成28年度も前年対比101.0%となりました。

図10:牛乳等の生産量推移
図10:牛乳等の生産量推移

■製造と消費の動向 <バター・脱脂粉乳の場合>

生乳の生産量及び需要で決まる生産量

バターの日本人1人あたりの年間消費量は、ヨーロッパでもトップクラスのフランスに比べると1/10以下。まだまだ増加の可能性を秘めています。
バター、脱脂粉乳の生産は生乳需給と深く結びついています。生乳需給では、比較的賞味期限の短い飲用牛乳向けの生乳が優先され、残りが保存性の高いバター、脱脂粉乳などの乳製品向けに回されます。このため、生乳生産量や飲用牛乳類の需要次第で、乳製品向けの生乳量が変化することになるのです。
(*3) 特定乳製品:加工原料乳生産者補給金等暫定措置法にて規定されているバター、脱脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、全脂無糖練乳、全粉乳、加糖粉乳、生産者還元脱脂乳(子牛哺育用)の8品目をいいます。

図11:バター・脱脂粉乳の生産量・期末在庫量の推移
図11:バター・脱脂粉乳の生産量・期末在庫量の推移

■製造と消費の動向 <チーズ・生クリームの場合>

チーズ・生クリームの消費は増加

チーズと生クリームの1人1年あたりの消費量は近年増加傾向にあります。その理由としては、食生活の変化、新たな食シーンへの情報や提案が豊富になったことなどがあげられます。チーズは輸入自由化品目でもあり、輸入量も多いことから、国際相場の影響を受けやすい商品となっています。