第95回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会開催

Q12.非常に短い牛乳の歴史と、駆け足でおもしろかったです。牛乳の歴史というのは人類史でいったら非常に古いですよね。ですから、否定することはできませんね、私たちは哺乳類ですから。だけど、今日の結論でもありましたけど、牛乳を発酵させて加工するラインは全然問題ないけれども、ストレートに飲む飲用が何でこんなにいろいろと批評の対象になるか。それは、いい方もだし、悪い方もだし、都合のいいことも、まだわからないことも、今ごっちゃになっていますね。栄養素を添加したり、色物系というのもありますが、もっとストレートに、安全に安心に、味とか香りとかのクオリティーを全面的に出した牛乳の売り方はあるんだなというのを今日感じました。飲用乳の進化バージョンをもう少し早く検討しなくてはいけないという宿題をいただいたような気がします。ありがとうございました。
A12.
  • おっしゃるとおりと思います。
  • 質疑応答
Q13.ホモ牛乳が子どもに大変人気だったというのは、キャラクターが受けたのですか。何が受けたんだろうと。
A13.
  • ホモ牛乳は、当時、完全栄養食品として人気があった牛乳の中でも、このキャラクターがかわいくって受けたんです。「ぼくはホモちゃん」というCMソングが全国のラジオで流れて人気を得た。瓶にただ牛乳と書いてあるより、ホモちゃんが印刷された瓶が欲しくて、この瓶から飲みたくて、子どもたちがホモ牛乳にかえてもらったという思い出を、この当時子どもだった人たちから聞きました。それで、子どもだけかと思いきや、この下にあるように大人の健康飲料としても人気を得たという例で、ちょっと笑ってしまうのですが、この図版を入れました。
  • 質疑応答
Q14.レジュメの最後は「それでは牛乳は?」とクエスチョンで終わっていますけれども、これから受けるのはどういうところに着目したものとお考えになりますか。例えばさっきおっしゃったような、牛乳ができてくる背景のストーリーなのか、あるいは、やっぱり健康というところに今まで考えられなかったような何かを考え出してつけるのか、何かちらっとお考えのことがございますでしょうか。
A14.
  • 先は読めないのですけれども、今おっしゃったように、飲料牛乳の新しい展開があるといいなと。あと、料理用牛乳、料理専用牛乳というのができるといいなと、消費者として思っています。例えば生クリームを1パック買っても、余ってしまうんですね。だから、生クリームより脂肪分が少なくて、でも、生クリームを入れないとコクが足りない料理のときに、この牛乳があればオーケーみたいな製品が開発されると、どんなに便利だろうかと。1回で使い切れる量で売ってくれたらいいなと思います。
Q15.協会のどなたかに聞きたいのですけど、個性的牛乳の開発というか、この先、個性的な香りだとか味だとか、それから今の料理に適性をいろいろな段階でやるというのは、乳等省令との関係で現実味はあるのでしょうか。
A15.
  • なかなか難しいところです。牛乳というのは、何も足さない何も引かないという、そのものが「牛乳」として種類別で売られるわけですから、そこに何か手を加えると牛乳ではなくなってしまう。要するに加工乳とか乳飲料だとか、そういうものであれば可能性はありますが、牛乳だけで何か特徴を出していくというのは、例えばさっき言った牛の違いとかそういったものではあるのでしょうけれども、それ以外で料理用の牛乳をどう加工していくかとなると、今の乳等省令上ではちょっと難しいのかなと。殺菌温度とかなどは変えられますけれども、そうするとさっき言ったクッキングフレーバーがつくとかつかないとか、低温殺菌だとフレーバーに新鮮味が出てくるとか、そういった意味では差は出ますけれども、大きく差をつけて出すのは難しいのかなと思います。
Q16.私は、牛乳は日常的に生活の中に入っている基礎食品という状態になっていますので、おいしさを追求するとかいった意識が日常的にはありませんでした。それで、今日お話を聞いて、味とかそういったもの、飲料としてのおいしさを求めていけたらいいなという先生のお話を聞いて、「あっ、そうなんだ」と思ったんです。
昔の知識でいうと、おいしさというのは多分、乳脂肪が多いとおいしく感じるんだろうと思っていたものですから、乳脂肪が多いものはあまり摂りたくないというのが同時に意識としてあるので、嫌いでなければ、今の味でよければ、おいしさを追求しなくてもいい飲み物だというふうに今の今まで捉えていたものですから、そうじゃなくてさらにおいしさを追求していくというお話は新鮮に聞こえました。
A16.
  • ありがとうございます。
  • 質疑応答
Q17.スライドの20ページのところで、70年代にホルモン剤とか抗生物質の問題があってこういう指摘があったという、歴史の中で何度かこういう指摘があり、また最近もさまざまな理由で否定をする言説が繰り返しあるというお話でしたが、最近、例えば抗生物質とかホルモン剤に関する専門医の翻訳本などを読みますと、アメリカなどでも、乳牛に与えるホルモン剤、抗生物質に対して消費者は非常に懸念を持っていて、ヨーロッパとかオーストラリアなんかはそれを与えないようにしてきているらしいです。『TIME』の「Eat Butter」やデイヴ・アスプリーさんの話を見ましても、バターについてはすごく健康を意識して書いていらっしゃる。牛乳に対してはホルモン剤とか抗生物質の影響とか懸念については今どんなふうに考えられているのか、もしご存じだったら教えていただきたいのですが。
A17.
  • このシリコンバレー式の健康本では、農薬や薬品を一切使わないような食品が推奨されていました。この本がバターの食べ方として推奨しているのは、「バターコーヒー」という形です。朝食をバターコーヒーで摂れば、最強の食事になるという説なんです。コーヒーも安全性第一で、農薬を使わず、残留のカビがないものを選び、グラス・フェッド・バターも農薬を使わない牧草を食べた、もちろん薬品なども使っていないものを選びなさいと書かれています。日本ではなかなかそこまでは手に入らないので、今はグラス・フェッドというだけで売り文句になっている状態です。
Q18.グラス・フェッド・ミルクというのはないんですね。
A18.
  • 同じくシリコンバレー式では、牛が穀物でなく100%牧草で飼われていれば、ヘルシーな脂肪とより多くの栄養があり、低毒素のミルクが搾られる。また、搾ったまま何も加工されていない生乳は、一般的な牛乳より栄養的にすぐれていて、善玉菌が多い。低温殺菌でも善玉菌が全滅して、ホモジナイズという工程も乳脂肪を損なうので、ノンホモでグラス・フェッドの生乳が最善の選択だと言っています。
  • 質疑応答
Q19.今のホルモン剤とか抗生物質とかの話は結構政治的な問題で、安全性と基本的にはあまり関係しない、というのは、ホルモン剤を与えていても、出てくる牛乳に対しての安全性はきちんと調べられていて、大丈夫というものしか基本的には流通していないものですから、日本では無農薬のものが手に入らないとかは気にしなくてもよいのでは。海外でも、アメリカなんかは日本と同じようなものが流通しているはずですので、有機のものがアメリカは多いというのもかなり誤解があると思います。もちろん、シリコンバレー式の人はそういうことを書いているかもしれないですけど、この人の言っていることが本当に正しいのかというのはちょっと、私は読んでないのですけれども、微妙にどうなのかなというところもあるなと、今お話を伺って思ったものですから。
一応、安全性ということでは食品安全委員会か何かがホルモン剤についてもきちんと検証していますので、それがだめと言うのは牛乳否定本の人たちと同じようになってしまうので、そこはちゃんと調べられたほうがいいのかなと。
A19.
  • この本にはそう書いてあったということをお話ししたわけで、私の意見ではないです。ホルモン剤とか抗生物質に関しては、今現在、日本では使ってはいけないんですよね。耐性菌の問題があるからこれは使用してはいけないという薬品が決められたというニュースを最近読みましたけど、恐らく、特定の薬に関して禁止されたりしていますよね。
Q20.ホルモン剤についてはどうなんですか。
A20.
  • (日本乳業協会から回答)
    ホルモン剤については、アメリカなどではBSTというものを使用して生乳生産を増やすということをやっている例があるのですけれども、日本ではBSTそのものが使えないので、つまり誰も使用していません。申請すれば使えるようになるのかもしれませんけれども、BSTを使おうと考える人が誰もいないので、日本では使われていないということです。
    それから、農薬に関しては、すべてポジティブリスト制度の対象になっていて、あらゆる農薬の残留基準値が決められていますので、それを超えるようなことはないように管理されております。
    抗生物質については、もちろん治療には当然使わなければならないので、乳房炎になったときには乳房炎軟こうを乳頭から注入して治療に当たるわけですけれども、必ず休薬期間が決まっています。だいたい1週間くらいは出荷できなくなっていて、乳に残留しなくなったら出荷できる、こういう仕組みになっていますので、日本の生乳は非常に安全に管理されているということです。
Q21.なぜアンチ牛乳論が出てくるんでしょうか。それについて何かお考えがあったら伺いたいです。
A21.
  • これは本当に、どうしてみんなこんなに感情的になるのか、すごく謎です。アンチな人たちは、子どもが、特に戦後は給食で強制的に飲まされてきたと捉えているわけですね。それに関する陰謀論まであるんです。アメリカの飼料・穀物戦略のために、日本人は牛乳を完全栄養食品だと信じ込まされてきたとよく言われています。激しいアンチ牛乳論の背景を考えると、やっぱり、母乳の代替物だったり、子どもの成長に欠かせない保健飲料だったりと、あらかじめ母性的な性格を与えられたがゆえに、その期待を裏切って、母性に反する、子どもに害を与えるようなことを牛乳がしたときに、絶対に許せないという感情的な論になってしまうのではないか。そう私は思っていますが、答えはなかなか出ません。
  • 質疑応答

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