第86回 牛乳・乳製品から「食と健康を考える会」開催

「現地見学会開催 ~茨城県 トモヱ乳業株式会社 牛乳博物館・雪印メグミルク株式会社 阿見工場・阿見総合物流センター~」

【日時】
平成28年5月23日(月)8:00~19:00
【出席者】
牛乳・乳製品から「食と健康を考える会」委員
毎日新聞記者 今井 文恵
消費生活コンサルタント 神田 敏子
評論家・ジャーナリスト 木元 教子
元日本大学教授 菅原 牧子
産経新聞 文化部記者 平沢 裕子
(50音順)
乳業メーカー:広報担当者
乳業協会:本郷常務理事 他
【内容】
今回の開催は、茨城県内の実際の工場見学により、牛乳・乳製品の乳業現場での製造実態を知ると共に、企業の博物館や工場PR施設のあり方について、認識を深めることができた。
【訪問先】
トモヱ乳業株式会社・牛乳博物館

トモヱ乳業株式会社

<会社概要>

■代表者 代表取締役社長 中田 俊之氏
■年商 315億円
■従業員数 250名
■製造品目 牛乳乳製品、各種飲料、デザート類
■創業 昭和16年8月

<現在の状況>

・単一工場では、全国トップクラスの生産規模の牛乳工場で、東北から九州にも出荷。学校給食牛乳は、茨城県と埼玉県内で約380校16万人に提供。
・工場に併設する「牛乳博物館」は、創業者が酪農産業や文化に関するコレクションを展示するために、平成6年に本社内に展示室を設け、開設し、その後拡張し、今日に至っている。平成25年より公益財団法人中田俊男記念財団となる。
・約50年かけて世界約150ヶ国から酪農や乳業に関する資料、コレクション約5,000点を展示する。自社の歩みに留まらず、国内外の酪農文化を学ぶ。貴重な資料は、国立博物館データベースにも登録。
・美味しい牛乳の試飲をしながら映像を見て学ぶ。

  • 「食と健康を考える会」現地見学の感想
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【訪問先】
雪印メグミルク株式会社 阿見工場・阿見総合物流センター

雪印メグミルク株式会社 阿見工場・阿見総合物流センター

<工場概要>

■代表者 工場長 松永 政也氏
■生産量 46,000t
■従業員数 500名
■製造品目 プロセスチーズ、マーガリン類
■操業開始 平成26年3月

<現在の状況>

・平成26年3月から生産を開始し、全国に出荷するプロセスチーズ、マーガリン製造を一手に引き受ける国内最大級の乳製品工場。約200種類の製品を作っている。
・見学では、プロセスチーズとナチュラルチーズの違いについてや美味しさの秘密も知り、また工場内の衛生管理についての解説や最新鋭の機械が働く物流倉庫にも注目し、嬉しい試食のコース体験をする。
・特に「日本におけるプロセスチーズの歴史と独自に発展した特徴ある商品」について特別講義で学ぶ。

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【現地見学の感想】
今回は、見学した委員の皆様の感想を掲載。

1.「あ、うちの冷蔵庫にある牛乳だ」。トモヱ乳業の工場見学で、そんなうれしい驚きに出会った。長年お世話になっているコープ牛乳は、ここから我が家へやってきていたのか。一気にトモヱ乳業が身近になった。正直なところ、会社の名前は知っていたけれど、うかつにも冷蔵庫にあったとは気づかなかった。
牛乳博物館のコレクションは素晴らしいものだった。時間があれば、1日でも眺めていたいほどだ。中田前社長の乳の文化に対する熱い気持ちがひしひしと伝わってきた。乳製品の歴史は、最近「考える会」でも勉強させていただいたばかり。人と乳の長いつきあいに思いをはせる楽しいひとときとなった。
次の雪印メグミルクも、我が家の冷蔵庫の常連たちのふるさとだった。見学コースにも工夫が懲らされ、テーマパークを歩いているようなわくわく感がある。下を見れば、ほとんど人の姿が見えない中、チーズが出荷の準備を整えて流れていく。そのスピードは目を見張るほどだ。形、味など多様になってきたチーズ市場に対する体制が見事に整っていた。工場見学すると、その企業の製品にぐっと親近感を増す。長い目で見てファンを増やすというメリットは大きいと思う。また、味見のいい機会にもなる。トモヱ乳業でいただいた「グアテマラブレンドカフェオレ」がとてもおいしくて、スーパーに行くたびに探しているが、残念ながらまだ巡り会えない。

2.トモヱ乳業では、牛乳やヨーグルトだけではなく、カップ飲料や清涼飲料等も製造されており、その種類の多さにびっくりしました。また、私が毎日飲んでいる生協牛乳も製造していただいていることを知り、トモヱ乳業が急に身近な存在となりました。製品の安全性確保については、HACCPシステムによる衛生管理やその他の安全管理、検査室や官能検査室の充実など、徹底して取り組まれていることがわかりました。特にフードディフェンスの観点からもセキュリティ強化がなされていることを知り、安心感が増しました。
雪印メグミルクでは、プロセスチーズについて改めて勉強することができました。丁寧なご説明により、その歴史等も知ることができました。お話を聞きながら、ずっと昔・子どもの頃食べたプロセスチーズの味を懐かしく思い出しました。現在では、コクとうま味を追求したもの、甘みやフレーバーを加えたデザート系、とろけるものやさけるチーズ等、特徴ある商品がいろいろ作られています。チーズを通した生活提案や、消費者の多様なニーズに応える姿勢に感心しました。
両メーカーとも、製造工程の自動化・ロボット化が徹底して進められており、その見事さとともに、当然のことながら作業員がごく少人数であることに驚きました。こうしたシステムが、効率性アップだけではなく、品質向上や安全性確保等にも繋がることを願っています。

3.5月23日、初夏を感ずる日射しは、朝の8時なのに、眩しいほど明るかった。東京駅八重洲鍛冶橋駐車場に、この日見学会に参加の「食と健康を考える会」の今井文恵さん、神田敏子さん、菅原牧子さん、平沢祐子さんに私の5人の委員と、事務局から田村賢専務理事、本郷秀毅常務理事、佐瀬修広報部部長と加藤相談員、そして、各メーカーから広報担当の5人のメンバーが集合し、大型観光バスで、まず茨城県古河市へ向かった。
町中を抜けると、田圃が広がる。10センチほどの早苗が美しい。最初にお訪ねしたのはトモヱ乳業工場と牛乳博物館。前庭に、広い芝生で草を食む一頭ホルスタインの像。訪問者を「ようこそ」と迎えている。
工場のウエイティングホールの壁面には、「産業の中に文化あり」と、「医食同源」の文字があり、その精神に納得する。
地域に根付き、地域に貢献する会社として一工場あたりの生産規模は日本一である。
次に雪印メグミルク阿見工場を訪問。主製品はプロセスチーズだ。製造工程をガラス張りの二階から見学。工場は広くて清潔だ。見回る人は一人か二人。ロボットが、原料チーズの配合、粉砕、加熱・溶かし、充填まで行う。重量、異物の検査等も、包装のまま精密な検査機で1個ずつ、厳重に行う。
ラストの工程で、やっと確認作業の人を見つけた。こうして美しいプロセスチーズが作られ、冷却・箱詰めで、ホラ届きました。

4.快晴の5月23日、茨城県古河市のトモヱ乳業と阿見町の雪印メグミルク工場見学会に参加しました。二つの工場共2、3年前に工場を増設、新設した最新鋭の工場です。乳業工場だけに白を基調にした清潔感溢れる建物で、前庭の実物大の牛の人形が訪れる人を和ませてくれます。トモヱ乳業は牛乳、各種飲料などが主力商品で、原料の生乳を北海道や岩手県からも運んでいると聞き、岩手出身の私は“縁”を感じて嬉しくなりました。モットーは「産業の中に文化あり」「医食同源」。牛や牛乳に関する展示の牛乳博物館も併設され、栄養バランスの優れた牛乳での健康づくりなど熱意溢れる説明をしていただきました。一方、雪印メグミルクの阿見工場では原料として生乳を受け入れていない工場という説明を受け、改めてミルクの奥深さを思い知りました。輸入、国産のナチュラルチーズを原料にプロセスチーズとマーガリンを製造する工場なのです。雪印メグミルクと言えば6Pチーズ、新装なった工場内の天井や壁にその模様が・・そういえば見学コースのお土産の6Pチーズ型消しゴムがとても人気なんですって。
見学コースも充実していて、両工場共オートメ―ション化され、製品になるまで人の手に触れることは殆ど無く、ベルトコンベアで次々に運ばれ包装され梱包されるまでをつぶさに見せて頂きました。見学会に参加していた他の乳業会社の方から見学コースの運営の仕方についての質問がありました。各社力を入れているという事なのでしょう。見学した後私には牛乳がひと際美味しく感じられました。

5.トモヱ乳業工場は、乳業工場という名称ながら、今はカップ飲料のコーヒーなど乳製品以外の飲料を多く製造されているとのこと。また、普段利用している商品の中に、同工場で作られているものが結構ありました。同工場には一度訪れているようなので、そのときうかがったかもしませんが、認識を新たにした次第です。平成10年からHACCP認証を受けるなど、当たり前のこととはいえ、食の安全にしっかり取り組んでいる工場という印象を持ちました。
牛乳博物館は、大阪の国立民族学博物館の展示にも引けを取らない充実ぶり。先代が世界中を回って集めた展示品の一つ一つに、牛や乳製品への思いが込められているようで、ほほえましい気持ちになりした。医師である二代目社長が今後、会社をどう発展させていくかも楽しみです。
雪印メグミルクの阿見工場は、建物自体が魅力的な作り。工場を案内してくれるお姉さんもてきぱきとしていて、大人の見学工場として人気があるのもうなずけます。
機械化された工場の生産工程を見るにつけ、かつて人がやっていた仕事がどんどん機械にとって代わられていくことを実感。人として機械にできないことをやっていかねばと改めて思いました。また、トランス脂肪酸への誤解からマーガリンの売上に影響が出ているとのこと。日本人の食べている量なら問題にする必要がないことを、今後も新聞記事で取り上げる必要性を感じました。