第80回 牛乳・乳製品から「食と健康を考える会」開催

「乳和食の意義と今後の展開」

【日時】
平成26年11月17日(月)15:00~17:00
【会場】
乳業会館3階 A会議室
【講師】
一般社団法人 Jミルク普及グループ参事 佐野 晴彦
佐野 晴彦
【出席者】
「牛乳・乳製品から食と健康を考える会」委員
消費生活アドバイザー 碧海 酉葵
管理栄養士 荒巻 麻子
毎日新聞記者 今井 文恵
江上料理学院 院長 江上 栄子
消費生活コンサルタント 神田 敏子
評論家・ジャーナリスト 木元 教子
作家・エッセイスト 神津 カンナ
科学ジャーナリスト 東嶋 和子
産経新聞 文化部記社 平沢 裕子
(50音順)
乳業メーカー:広報担当
乳業協会:石原常務理事 他
専門紙記社
【内容】
従前から「TPPの交渉結果と今後の酪農乳業の方向性」について講演・意見交換を計画しておりましたが、今回の北京での首脳会議でも未だ決着を見ておりませんので、明確な方向性が示されるまで延期と致します。
今回は一般社団法人Jミルクが提唱し、当協会でも推進しております「乳和食」の取組みについて、その開発の背景や身体的な効果、今後の取組み・狙い等の講演を企画致しました。現在Jミルクで「乳和食」を推進している普及グループの佐野晴彦参事に「乳和食の意義と今後の展開」と題し講演をお願い致しました。

1. 乳和食とは

<乳和食の意義>

日本人が好んで食べる伝統的な食事である和食は、米飯を主食に、主菜や副菜に魚介類や野菜類を多く使い、脂肪分も少ないことから、健康的な食事と考えられている。また、和食は、醤油や味噌などの保存性の高い発酵調味料が多く使われており、その結果、現代日本人にとっては、食塩が多いことも特徴である。
一方、日本人の健康にとって、極めて深刻な問題である「高血圧」の大きな原因として食塩の過剰摂取があり、このため、高血圧予防、高血圧症の治療の点から、減塩食が奨励されている。しかし、外食や弁当・惣菜などの調理済み食品への依存がますます強まっている状況の中で、食品の味の強度を維持する食塩の利用と摂取はなかなか減少していない。
そこで、味噌や醤油などの伝統的調味料に「コク味」や「旨味」を有している牛乳(「コク味」や「旨味」を確保するためには、乳脂肪の役割が重要であることから、「成分無調整牛乳」を利用することが必要)を組み合わせることで、食材本来の風味や特徴を損なわずに食塩やだしを減らし、美味しく和食を食べてもらう調理法として、永年、乳を利用した料理の研究を行ってきた料理家の小山浩子先生により提案されたのが「乳和食」である。なお、「乳和食」は、日本人のカルシウム不足の改善や、特に高齢者で不足しがちな動物性蛋白質を補うことができるなどのメリットもある。
以上のような「乳和食」の意義が評価され、現在、日本栄養士会や日本高血圧協会、日本高血圧学会減塩委員会においても「乳和食」の普及に対する取り組みが行われている。

<乳和食の定義>

味噌や醤油などの伝統的調味料に、「コク味」や「旨味」を有している牛乳(成分無調整牛乳)を組み合わせることで、利用されている食材本来の風味や特徴を損なわずに食塩やだしを減らし、美味しく和食を食べてもらう調理法。

<乳和食の栄養的効能>

最も重要な栄養的効能は、食塩過剰摂取の防止である。またこれに加え、日本人のカルシウム不足の改善や、特に高齢者で不足しがちな動物性蛋白質を補うこともできる。

<なぜ減塩できるのか>

牛乳を使うことによって和食の味噌・塩・醤油を減らして減塩食がなぜ作ることができるのか。このことは未だ科学的に研究中です。まず、「ミルク割めんつゆ」と「水割りめんつゆ」を作って試飲してみていただきたい。食塩相当量を比べると「ミルク割めんつゆ」が「水割りめんつゆ」に比べるとやや高くなっているのは牛乳中に塩分が0.1g入っているためです。以下の表の「普通のめんつゆ」、我々が通常食べているめんつゆに比べると食塩相当量は低い。

なぜ減塩が出来るか?体感してください。

「水割りめんつゆ」と「ミルク割めんつゆ」(めんつゆ濃度は同じ)を飲み比べると「ミルク割」の方が塩味が強く感じる。牛乳で割ることによって塩味を強く感じるのはなぜか。牛乳は若干の甘味があるため塩味が増すのではないかと考えられます。牛乳には様々な成分が含まれています。そういった成分が「だし」の味を強めるのではないかとも考えられます。料理をする上で牛乳を使うことによって、味噌・塩・醤油を減らしてもおいしい料理ができることになるのではと思います。

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