アイスクリームの歴史

きほん知識

アイスクリームの起源はいつ頃でしょうか。

●アイスクリーム世界史

アイスクリームのルーツは、食品を保存するための氷雪に蜜や果汁をかけて食べたことから始まります。

【紀元前ギリシャ・ローマ時代】時代の健康食品

ギリシャのアレキサンダー大王は、奴隷たちに山から氷雪を運ばせ、果汁に糖蜜を加えた冷たい飲み物を兵士たちに与え、士気を高めたそうです。医学の祖であるヒポクラテスは、著書に「冷たい飲み物は肉体をいきいきさせ、健康を増進させる」と効能を述べています。このような氷菓はインドやアラブでも作られ、「千夜一夜物語」に出てくる「シャルバート」はシャーベットの語源ともいわれています。

【11世紀頃】シャーベットはイタリア生まれ

シリア地方へ侵攻した十字軍が「シャルバート」の製法をヨーロッパに伝え、イタリアのシチリアで果物やナッツを使って「ソルベット」(シャーベットのイタリア語)が作られるようになりました。

【1533年】シャーベットがイタリアからフランスへ

フィレンツェの大富豪メディチ家のカトリーヌとフランス皇帝アンリ2世の結婚の宴で、イタリアの豪華な料理がふるまわれました。なかでも、ドライフルーツやナッツを使ったシャーベットのすばらしさに、フランス貴族は驚きました。

【1560年】新製法開発

ルネッサンス時代、近代科学の芽生えが、冷凍・冷却の新しい技術を生み出しました。氷に硝石を混ぜると温度が著しく下がることが発見されたのです。

【17世紀末】パリで、世界初のアイスクリーム誕生

シャーベットの製法は国家の秘密とされていましたが、フランソワ・プロコープがホイップクリームを凍結させた「グラス・ア・ラ・シャンティ」を考案。このころからフランスでは、アイスクリームがようやく庶民の口に入るようになりました。

【19世紀半ば】アメリカで発達したアイスクリーム

アイスクリームの産業化のきっかけは、余った生クリームの処理でした。1851年、ボルモアの牛乳商ヤコブ・フッセルがアイスクリームの生産販売を思いつき、牛乳工場をアイスクリーム工場にしました。
また、フッセルはリンカーンの親友で、アイスクリームで得た利益を提供し、奴隷解放に協力しています。
1870年代には、アンモニアガス圧縮式の冷凍法による工場生産が始まりました。
1984年、レーガン大統領はアイスクリーム産業が乳業の発展に貢献したとして、7月を「国民アイスクリーム月間」、7月の第3日曜日を「国民アイスクリームの日」と決めました。

●アイスクリーム日本史

【4世紀後半】自然の冷蔵庫「氷室(ひむろ)」

仁徳天皇の時代に奈良に「氷室」が作られ、冷菓の歴史が始まりました。日本各地に氷室という地名がありますが、冬の間に集めた氷を貯蔵し、夏に氷を食べたり、食料を冷蔵した穴にちなんでいます。

【12世紀初め】貴族のデザート「削り氷(けずりひ)」

平安時代の「枕草子」、「源氏物語」に「削り氷」という氷菓が書かれています。氷を砕いて「甘葛煎(あまずらせん)」(つたの蜜)をかけたものです。清少納言は「貴重(あて)なるもの」と賞賛しています。

【1860年(万延元年)】アメリカ使節団が出会った「アイスクリン」

日米通商条約交換のため、幕府が派遣した使節団員の柳川当清が、ワシントンを訪れた際の航海日記に「味はいたって甘く、口中に入るるにたちまち溶けて、まことに美味なり。これをアイスクリンという」と書き残しています。

【1869年(明治2年)】横浜の馬車道に日本初の「アイスクリン屋」

渡米経験のある町田房蔵が明治2年にアイスクリーム製造販売を始めました。当時の値段は1人前が金2分と当時の大工の日当に相当する高価なものでした。このため、初めは外国人にしか売れませんでした。

【1875年頃】アイスクリームは文明開化のシンボル

銀座に「風月堂」「資生堂」「函館屋」などが次々オープン。明治16年に建てられた鹿鳴館では、アイスクリームが晩餐会のデザートとして欠かせないものとなりました。

【1912年頃】ハイカラなデザートとして

庶民に大正時代になると、喫茶店、レストラン、ホテルなどが増え、アイスクリームの需要が大きく伸びました。下町では、自転車に旗を立てて町中を売り歩く「アイスクリン」の売り声が聞かれました。
1921年(大正10年)、アイスクリーム製造専門の工場が作られ、その後続々と工場が建設され、量産されるようになりました。

【1955年頃】夏のおやつの定番に

昭和30年代に入り、現在も販売されているカップアイスやコーンアイスも登場し、より身近なものになりました。また、フリーザー付き家庭用冷蔵庫が普及し始め、販売量も増加しました。

【1964年(昭和39年)定】「アイスクリームの日」設

日本アイスクリーム協会(旧東京アイスクリーム協会)が、東京オリンピック開催年の1964年(昭和39年)5月9日に消費拡大のための記念事業を開催したのをきっかけに決めました。

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