ビフィズス菌

きほん知識

ビフィズス菌とはどのような菌ですか。

ビフィズス菌は、1899年フランスの細菌学者ティッシェーにより、健康な母乳児の便から発見された腸内細菌の一種です。私たちの腸内には数百種類、100兆個以上もの細菌が棲みついており、それらを総称して「腸内細菌叢」とよびます。この中には私たちの体によい働きをする菌(善玉菌)や悪い働きをする菌(悪玉菌)がおり、腸内細菌全体のバランスが健康と深いかかわりをもっています。そして、そのよい働きをする菌の代表がビフィズス菌であると考えられています。

ビフィズス菌の特徴

1)不定形の桿菌で、枝のように分岐してY型の菌形をとることがあります。
(ビフィズスとはラテン語で二つに分かれるという意味です)
2)空気(酸素)を嫌います。
腸内細菌が棲息する大腸内は酸素がほとんど存在しないため、ビフィズス菌は酸素があると生育しません(偏性嫌気性菌)。
3)糖から乳酸と酢酸を作ります。
多くの乳酸菌は、糖を分解して乳酸のみを生成します(ホモ型発酵)が、ビフィズス菌は乳酸に加えて酢酸などを生成します(ヘテロ型発酵)。
4)50種類程度のビフィズス菌が見つかっており、主にヒトの腸内に棲息している菌種は10種類程度です(*1)。

年齢による腸内菌叢の変化

〈善玉菌〉ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌など
〈悪玉菌〉ウェルシュ菌、大腸菌(毒性株)、バクテロイデス(毒性株)など

母体にいる胎児の腸内は無菌ですが、生後7日頃からビフィズス菌が優勢になり始め、およそ1ヶ月後には、安定したビフィズス菌主体の菌叢となります。これは母乳に含まれるヒトミルクオリゴ糖を餌として利用し(*2)、かつ、母乳に含まれる抗菌性物質(リゾチーム等)に耐性を持っているからだと考えられています(*3)。この特徴は乳幼児に棲息する特定のビフィズス菌種のみが保有しており、動物や環境に棲息するビフィズス菌はこうした性質も持っていません。
離乳期以降は様々な食事を食べ始めるため、腸内にはいろいろな菌が増えてきて、ビフィズス菌の占める割合は低くなっていきます。ビフィズス菌はヒトが吸収できずに大腸まで到達する食事中の食物繊維等の一部を餌として利用することで増殖します。小腸下部から大腸にかけて多く棲み、悪玉菌の増殖を抑え、腸内菌叢のバランスを整えます。

*1 Milani C, Lugli GA, Duranti S, Turroni F, Bottacini F, Mangifesta M, Sanchez B,Viappiani A, Mancabelli L, Taminiau B, Delcenserie V, Barrangou R, Margolles A,van
*2 Jost T, Lacroix C, Braegger C, Chassard C. Impact of human milk bacteria andoligosaccharides on neonatal gut microbiota establishment and gut health. Nutr Rev.73(7):426-37. 2015.
*3 Minami J, Odamaki T, Hashikura N, Abe F, Xiao JZ. Lysozyme in breast milk is a selection factor for bifidobacterial colonisation in the infant intestine. BenefMicrobes. 27:1-8. 2015.

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