発酵乳とは

きほん知識

発酵乳とは何のことですか。

原料の乳に乳酸菌や酵母のなどの微生物を加え、一定の温度に保つと微生物が増殖し、乳酸を産生します。これによってできるものがヨーグルトに代表される発酵乳です。
ヨーグルトは乳酸菌で発酵させる発酵乳の一つで、この発酵乳を加工したものが乳酸菌飲料です。この発酵乳や乳酸菌飲料は下記の厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により定義されています。

発酵乳
乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌または酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの、またはこれらを凍結したもの。
乳酸菌飲料
乳等を乳酸菌または酵母で発酵させたものを加工し、または主要原料とした飲料(発酵乳を除く)

乳等省令ではヨーグルト独自の規格基準はなく、発酵乳の一つとして位置づけられています。
無脂乳固形分は、牛乳と同じ8.0%以上、「生菌タイプ」のものでは乳酸菌または酵母数は1ml当たり1,000万以上と定められています。平成26年の改正により発酵後加熱殺菌したタイプの発酵乳が「殺菌タイプ」として加えられました。
発酵乳は、乳の栄養・機能と微生物の発酵生産物のはたらき、さらに菌体そのもののはたらきを合わせ持った、健康をよくすることが期待できる食品です。

乳酸菌とは、特定の細菌の名前ではなく、生育に必要なエネルギーを得るために糖を分解して大量の乳酸を作り出す細菌の総称です。その大きさは1マイクロメートル(1mmの千分の一)程度です。乳酸菌を世界で初めて本格的に調べたのは、発酵微生物学の始祖、フランス人のパスツールです。1857年に酸っぱくなった乳の中に微生物が存在することを発見しました。乳酸菌は広く自然界に存在し、ヒトや動物の腸内でも生息しています。乳酸菌は、ヨーグルトに限らず、チーズ、漬物、みそ、しょうゆなど伝統的な発酵食品の製造に大切な役割を果たしています。
ビフィズス菌はビフィドバクテリウム属の最近の名称です。状況によって形を変え、VやY字のような形になるため、「枝分かれ」を意味するラテン語(ビフィド;bifid)の名が付きました。ビフィズス菌は乳酸も作りますが、大量の酢酸をつくることや酸素に弱いことなど性質が異なることから乳酸菌の仲間には含まれません。ビフィズス菌もヒトや動物の腸内に存在し腸内環境を良好に保つ働きがあります。
乳酸菌は、形態、発酵形式(ホモ型;糖から乳酸のみ、ヘテロ型乳酸と酢酸またはアルコール、炭酸ガス)、発育条件(酸素存在下での発育)によって分類されます。

ヨーグルト製造に用いられる乳酸菌は、ブルガリア菌、サーモフィルス菌、アシドフィルス菌など、また乳酸菌飲料にはカゼイ菌が使われます。これらの菌の組み合わせや発酵温度などにより、製品の特長を出しています。
さらに最近では、乳酸菌の機能性についての研究が進み、様々な菌がヨーグルトに添加され、プロバイオティクスとして販売されています。プロバイオティクスとは「腸内細菌のバランスを整え、ヒトの健康に有益な働きをする微生物およびそれを含む食品」を示します。手軽に摂取できるプロバイオティクスの代表格が乳酸菌やビフィズス菌です。

ヨーグルト中の乳酸菌のはたらきをまとめると以下のようになります。
1)保存性の向上(乳酸により他の菌の増殖を抑える)
2)風味の向上(乳酸や香気成分生成による)
3)整腸作用(腸内バランスを整え便通を改善する)
4)消化吸収の促進(乳糖分解、乳たんぱくの分解により)
5)免疫力の向上(腸を介して免疫機能に働きかける)

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